アカデミー賞監督 ギレルモ・デル・トロが影響を受けた“怖い本”
公開: 更新:
【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第788回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、2月28日に公開された『スケアリーストーリーズ 怖い本』をご紹介します。
全米の子どもたちにトラウマを与えた“禁断の書”を映画化!
ハロウィンの夜。町はずれの古い屋敷に忍び込んだ高校生のステラたちは、地下室で1冊の本を見つける。ページを開くとそこには、美しい手書きの文字で、噂に聞いた怖い物語が綴られていた。
作家志望のステラは、その本をこっそり持ち帰ることに。ところが、その翌日から、子どもがひとりまたひとりと消えて行く事件が発生。そしてその“怖い本”には、夜ごとに新たな物語がひとりでに綴られて行き…。
第90回アカデミー賞では、『シェイプ・オブ・ウォーター』で作品賞はじめ4部門を受賞。翌2019年にはハリウッドの殿堂入りも果たした、世界的フィルムメーカーのギレルモ・デル・トロ。彼が企画・製作・ストーリー原案を務める『スケアリーストーリーズ 怖い本』が、日本にやって来ました。
本作は、デル・トロ監督が10代のころに多大な影響を受けた児童書シリーズを映像化。“本のなかから現れる恐怖”を描いたホラー映画です。
監督は、ノルウェーの鬼才アンドレ・ウーヴレダル。背筋がゾクッと凍りそうな恐怖表現に定評があり、同時にダークなユーモアセンスも持ち合わせていることから、デル・トロ監督に「今作を任せられる監督は彼しかいない」と熱望され、強力タッグが実現。
その期待に見事に応えるかのごとく、上質なホラーが誕生しました。
さまざまな恐怖をあおる“仕掛け”があるなかで、秀逸なのがクリーチャーの造形。「怖い!」「グロい!」と大騒ぎしながらも、思わず見入ってしまうほど。不気味なのにどこか愛嬌のあるデザインは、観る人に鮮烈な印象を与えることでしょう。
アトラクション感覚で楽しめる作品なので、ホラー好きのお友だち同士で観に行くのもおススメですよ。
『スケアリーストーリーズ 怖い本』
2020年2月28日(金)から新宿バルト9ほか全国ロードショー
監督:アンドレ・ウーヴレダル
原案・プロデューサー:ギレルモ・デル・トロ
原作:「スケアリーストーリーズ 怖い本」シリーズ 第一弾『いばりんぼうをつかまえた』アルビン・シュワルツ 編/関麻衣子 訳/カワズミ 絵(岩崎書店より発売中)
脚本:ダン&ケヴィン・ヘイグマン
撮影監督:ロマン・オーシン
音楽:マルコ・ベルトラミ
エンディング曲:「Season of the Witch」ラナ・デル・レイ(ユニバーサル ミュージック)
出演:ゾーイ・コレッティ、マイケル・ガーザ、ガブリエル・ラッシュ、オースティン・ザユル、オースティン・エイブラムズ、ナタリー・ガンツホーン、ディーン・ノリス、ギル・ベローズ
原題:Scary Stories to Tell in the Dark
(C)2019 CBS FILMS INC. ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト https://scarystories.jp/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/