「8割減」とはどういうことか~具体性の欲しい「感染防止対策」
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月16日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。新型コロナの感染防止対策について解説した。
感染防止対策0で死亡者40万人
厚生労働省のクラスター対策班は15日、新型コロナウイルスに関する新しい試算を公表した。対策班のメンバーである北海道大学の西浦教授によると、人との接触を減らすなどの感染防止策をまったく取らない場合、日本国内で約85万人が重篤化し、このうち約半数である40万人が死亡する恐れがあるとしている。
飯田)これはあくまで対策をしなかった場合の試算で、また西浦教授が個人的に試算を行ったものだと、会見でも言っていました。いずれにせよ見出しに立ったり、ワイドショーで取り上げたりするとセンセーショナルな数字です。
8割減とはどういうことか~メッセージに具体性が欲しい
鈴木)冷静に西浦さんの話を聞くと、「何もしなければ」という場合です。いまは一生懸命に8割減らそうとやっていますから、「頑張らなければならない」と国民だけでなく政治、行政に対しても気を引き締めるための警鐘だと受け取らなければなりません。ただ、「8割減」ということがわかりにくい。メッセージとして具体性が欲しいです。毎日いろいろな首長さんや、政府の西村経済再生担当大臣が会見を開いていますが、メッセージに具体性が欲しいですよね。自分に振り向けたら、「どうすればいいのか」ということです。8割減というのは感覚的にはわかります。例えば、降水確率何十%というと感覚的にはわかりますが、傘を持って行くのか、持って行かないのか。具体的にコストコなどが行った、「人との間隔を2メートル取る」という表現はわかりやすい例です。本来は10人規模の会議を代表の2人にするなど、「10人を2人にする」という8割減はわかりやすいですよね。そういうメッセージが欲しいなと思います。
飯田)広報の仕方1つで、受け止め方が違うという部分ですよね。
鈴木)具体的なものが欲しいではないですか。電車のなかの8割減とは、どうすればいいのかという話になります。確かに電車のなかに8割と言われても、どこに立って何をどうすればいいのか。時差出勤を5時間の範囲で1時間ずつに決めたら、全体で出勤の2割になるという説明があれば納得する。そうなると東京の一定の分野、業界、団体が話し合いをしながら時差出勤にしようとなる。例えば朝5時~10時までの間に、出勤者を1時間ずつ振り分けるというような、具体的なメッセージが専門家や行政側から欲しいです。
飯田)出勤時間が前倒しに変化すると当然、退勤時間も変化するということですので、帰宅ラッシュもこれで回避される。
鈴木)午前5時~10時までの5時間で、1時間ずつ出勤時間を変えるということを、業界団体で行えばできます。具体性のある対策で、これからの後半を乗り切りたいですよね。
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