【ライター望月の駅弁膝栗毛】
古寺と新幹線が共存する街・京都。
国宝や世界文化遺産に登録された数々の神社仏閣を守りながら、京都タワーや京都駅ビルといった新しいものが常に生まれていくまちには、大きな魅力があります。
いまは東京が“首都”とされますが、京都の街を歩くと、歴史や文化的な奥行きは圧倒的。
1000年以上にわたって都があった街は、いまも世界中の人を惹きつけています。
20代のころの「駅弁膝栗毛」を振り返ると、ときどき、京都へ足を運んでいた記憶が甦りました。
嵯峨野の竹林を散策したり、琵琶湖疎水を訪ねたり、清水焼にチャレンジしたり…。
このころは、まだ関西エリアでも、湘南色の電車が健在でしたね。
観光客の方が増えてしまった最近は、すっかりご無沙汰してしまっていました。
落ち着いたら、できるだけ人が少ない時期に、のんびりと散策したいものです。
京都の街を思い浮かべながらいただく駅弁は、神戸を拠点に京阪神の駅弁を手掛けている「淡路屋」が製造する、「春旬たけのこ御飯」(1000円)です。
京都をイメージして作られたというこの駅弁は、3月~5月中旬までの限定販売。
五重塔や大文字焼きなど、京都の風景が描かれた竹の子型のパッケージが目を引きます。
通常は京都駅でも販売されています。(4/21現在、京都駅の販売はお休み中)
【おしながき】
・炊き込みご飯(ご飯・油揚げ・ごぼうほか)
・竹の子煮
・人参煮
・ちりめん山椒佃煮
・牛肉のしぐれ煮
・にしん甘露煮
・湯葉包み揚げ
・かまぼこ
・菜の花醤油漬け
・桜餅
ふたを開けると、メインのたけのこご飯や菜の花漬けの香りがフワッと広がって、デザートの桜餅の彩りと共に、駅弁をいただきながら、存分に春らしさを感じることができます。
ちりめん山椒や湯葉の包み揚げ、にしんの甘露煮といった京都らしさを感じさせるおかずも少量ずつ上品に入っていて、女性の方でもちょうどよくいただくことができそう。
もちろん現在、5000円以上のクレジット決済で送料無料となる「自宅で駅弁!旅気分!キャンペーン」中の、淡路屋の「通信販売」でも購入できます。
京都駅からの山陰本線(JR嵯峨野線)には、福知山・豊岡方面へ向かう特急「きのさき」、天橋立へ向かう特急「はしだて」、東舞鶴へ向かう特急「まいづる」が運行されています。
この他、嵯峨野の玄関口・嵯峨嵐山まで10分あまりで行くことができる快速列車なども運行されていますが、残念ながらいまは我慢のとき。
自宅にいながら、通信販売の駅弁で京都の風景を思い出して、旅気分を楽しみましょう。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/