【ライター望月の駅弁膝栗毛】
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E653系電車・特急「いなほ」、羽越本線・今川~桑川間(2019年撮影)
新潟ではもちろん、日本の鉄道のなかでも、随一の車窓を誇る「笹川流れ」。
村上市内の羽越本線・桑川駅周辺から約11kmにわたって、日本海の荒波が作った奇岩、岩礁や洞窟など、国の名勝・天然記念物に指定された変化に富んだ海岸が続きます。
日中は透き通った青い海、夕暮れどきはジュッと音を立てて沈みそうな赤い夕陽。
移動が自由になる時期が来たら、季節ごとに眺めたい美しい景色です。
(参考)村上市ホームページ
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E653系電車・特急「しらゆき」、信越本線・鯨波~青海川間(2017年撮影)
一方、夏にかけて恋しくなる新潟の海は、柏崎市内の信越本線・鯨波駅周辺の海岸。
平時の真夏には、特急「しらゆき」などの車窓から海水浴客で賑わう風景が眺められます。
しかし、人と集まらない、人に近づかない、人と喋らないといったことが求められるであろう、これからの社会では、みんなでワイワイやるレジャーのあり方も変わっていくのかも!?
“おひとりさま海水浴”とか、“定員制ビーチ”とか、“マスクなしでナンパするとフラれる”とか、いろいろ想像するのも面白いですね!
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海の彩
たとえ、どんなに時代が変わっても、自然の美しい海は変わらないもの。
そんな新潟の美しい日本海を思い浮かべていただきたい駅弁といえば、新津駅弁「神尾弁当部」が製造する「海の彩」(1030円)かもしれません。
佐渡島を含む新潟県の形がくり抜かれた箱型の包装に、わっぱ型容器が入っています。
コチラの駅弁も「ネットオーダー(通信販売)」が可能です。
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海の彩
【おしながき】
・酢飯(新潟県産コシヒカリ使用)
・鮭そぼろ
・数の子昆布和え
・貝柱煮
・いくら醤油漬け
・錦糸玉子
・蓮根酢漬け
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海の彩
食欲をそそる酢飯の上には、一面の鮭そぼろ、いくら、昆布が和えられた数の子、貝柱!
錦糸玉子の黄色と相まって、華やかな彩りを楽しめます。
神尾弁当部によると、光を受け輝く海をイメージし、味と香りを大切にした寿司とのこと。
寿司ではありますが、思わずサラサラッとかき込みたくなっちゃいそう。
普段、お目にかかりにくい駅弁も、確実に入手できるのも「通信販売」のメリットですね。
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E129系電車・普通列車、信越本線・米山~笠島間
古代ギリシア・ローマの時代から現代の海洋療法に至るまで、多くの人を癒してきた「海」。
つらいときほど、海の青、波の音が、心に沁みるものです。
幸い、いまはパソコンやスマートフォンで、気軽に海の画像や動画を見られる時代。
通信販売で求めた「駅弁」の色、香り、歯ごたえなど、私たちが持つ五感をフルに活かして、美しい景色を思い浮かべる「想像力」を豊かにしながら、この時期を乗り切りたいものです。
連載情報
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ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/