【ライター望月の駅弁膝栗毛】
新潟~酒田・秋田間を結んでいる、特急「いなほ」号。
昭和44(1969)年、上野~秋田間を上越線・羽越本線経由で結ぶ特急列車として誕生し、昨年(2019年)で運行開始から50周年を迎えました。
昭和57(1982)年の上越新幹線開業以降、現在は新幹線「とき」と接続、新潟と山形・庄内地方から秋田を結ぶ列車として、1日7往復が運行されています。
(参考)JR東日本新潟支社・ニュースリリース、2019年9月20日分ほか
新潟から「いなほ」で約45分、村上は「鮭のまち」として知られています。
歴史は古く、平安時代に三面川の鮭が都に納められていた記録があると言います。
江戸時代には、村上藩の下級武士・青砥武平治(あおと・ぶへいじ)が、三面川の鮭の自然保護増殖に成功、藩の財政再建と鮭文化の発展に大きく貢献しました。
いまも駅から歩いて20分ほどの大町周辺をブラブラすれば、まちに鮭の香りが漂います。
(参考)村上市ホームページ
村上をはじめ、新潟各地の特産になっている「鮭」。
そんな日本海の鮭を思い浮かべていただきたい駅弁が、新潟・新津駅前で駅弁を製造する「神尾弁当部」の「特製さけずし」(1250円)です。
60年以上にわたって受け継がれている、孟宗竹をモチーフにした容器に入った名物駅弁「さけずし」のグレードアップ版で、コチラも「通信販売」で購入することができます。
【おしながき】
・赤紫蘇入り酢飯
・紅鮭酢漬け
・ガリ
・醤油
笹の葉と酢の香りを感じながら包装をはがしていくと、一面の紅鮭が現れました。
鮮やかなサーモンピンクは、食欲をそそってくれますね。
「特製さけずし」も、通常の「さけずし」同様、新潟県産米の赤じそを混ぜた酢飯が特徴。
別添のガリと醤油のほか、切り分けられるようにナイフも入っています。
家族でいただく機会も多い昨今、しっかり食前に取り分けておくのがいいでしょう。
鈍行旅派にとって、村上といえば、「乗り換え」の駅。
羽越本線は、村上~間島間で、直流電化から交流電化で切り替わります。
このため、新潟からの普通列車を担うE129系電車は、最北でも村上止まり。
村上以北は、最新のGV-E400系をはじめとした気動車が活躍しています。
再び出かけられる時期になったら、のんびりと楽しみたい村上の旅です。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/