出戻りオカメインコは女性カメラマンのストーカー!?~奇妙で楽しいバードライフ~

By -  公開:  更新:

【ペットと一緒に vol.195】by 臼井京音

ニッポン放送「ペットと一緒に」

ペットショップに返品されたオカメインコを、偶然その場に居合わせて引き取ることになり、その15年後には売れ残りの勝気なコザクラインコを家族に迎えた、蜂巣文香さん。今回は、個性の違う小鳥たちと蜂巣さんのストーリーの前編を紹介します。

 

懐かないと返品されたオカメインコだったけれど

現在はカメラマンとして活躍する蜂巣文香さんが、専業主婦としてアメリカに在住していた約28年前、不思議な縁でオカメインコを迎えることになったそうです。

「柴犬を飼いたくてペットショップに通っていたんです。するとある日、『懐くって言われたけど、全然よ!』と言いながら、鳥カゴをショップに置いて行ってしまったお客さんに遭遇してしまい……」

蜂巣さんがケージに近づくと、オカメインコが片隅に隠れてうずくまっていたそうです。小学生のころに実家でオカメインコを飼っていた経験がある蜂巣さんは、ペットショップ店員に里親にならないかと提案されると、すぐにうなずいていたとか。

「エサも食べようとせず怯えた様子だったので、私が引き取らないと、このコは死んでしまうかもしれないと感じたんです」

引き取ったときは生後8ヵ月ごろでした

蜂巣さんは、連れ帰ったオカメインコをおちゃめくんと名付けました。

「ニュージャージーでは仕事もしていませんでしたし、ほとんどの時間、おちゃめくんと同じ部屋で過ごしていました。ケージの扉は開けたままにしておいたのですが、ずっとケージのなかから私の動きを監視している感じでしたね。ところが我が家に来て1週間が経ったころ、その部屋で昼寝をして目覚めたら、おちゃめくんが私の腕に乗っていたんです。驚きましたし、すごくうれしかったですね」と、蜂巣さんは当時を振り返ります。

それからは、おちゃめくんは蜂巣さんのあとを、まるでストーカーのように追って来るようになったそうです。「トイレにも、シャワールームにもついて来ました(笑)」とのこと。おちゃめくんは蜂巣さんに続き、シャワーで器用に水浴びをしていたと言います。

「最後にここで水浴びするんだよ」byおちゃめくん

音マネで飼い主をだますのが趣味!?

おちゃめくんは、音マネをするのがとても上手だったとか。

「コーヒーメーカーのゴポゴポという音や、電子レンジのチンという音、リビングドアが開閉時にきしむ音など。本物そっくりで、何度もダマされました。『あれ? 私、コーヒー淹れてたっけ?』とキッチンに行ってしまったり(笑)。ドアノブに触れた瞬間におちゃめくんが『ギギギー』とマネするので、『ちょっと! まだドア開けてないってば』と突っ込んで大笑いすることもしばしば。おちゃめくんのおかげで、アメリカ生活が各段に楽しくなりました」

蜂巣さんの食事中も一緒

蜂巣さんの両親がアメリカに来訪した際、おちゃめくんは父親が口笛で「ホーホケキョ」と出す音を15分間で覚えてしまったとも言います。

「おちゃめくんは父の肩によく乗っていて、3週間の滞在中は父を慕っていたようです。その後、帰国した父とは電話口でお互いに“ホーホケキョ合戦”をしていました(笑)」

いつでもそばに

無防備でナルシストな個性派

蜂巣さんが中長期で自宅を開けるときは、ペットシッターにおちゃめくんの世話を託したそうです。

「鳥について専門的に学んだシッターさんで、おちゃめくんにとても愛情をかけてくれたのが伝わって来ました。帰宅するたびに、おちゃめくんが新しい芸を覚えていたんですよ」

そう語る蜂巣さんが唯一ペットシッターに依頼したのは、何事もおちゃめくんの気持ちを尊重することだったと言います。

「決して強要もせず、叱らない。これが、私が小鳥との生活でもっとも大切にしたことなんです。その成果なのか、おちゃめくんはケージを安全基地だと認識していて、眠くなると扉を開けっ放しにしてあるケージに自ら入って行きました」

鏡を見つめるのが日課のひとつ

おちゃめくんは、鏡で自分の姿を眺めるのが好きなナルシストでもあるとか。

「鏡だけでなく鍋の側面など、自分の姿が映ると夢中になって『おちゃ~めくんっ』と声を挙げていましたね。その姿を見ると、笑わずにはいられません」

そんな個性派のおちゃめくんが蜂巣さんと暮らし始めて約1年後、手荷物として飛行機に乗り、日本という新たな国での生活をスタートさせることになりました。

「おちゃ~めくんっ」と鏡を見ておしゃべり

新入りの勝気な女子がやって来た!

東京での生活にもすんなりなじみ、おちゃめくんが15歳になったころ、新しい小鳥が蜂巣家にやって来ました。

「夫も、自分のあとを追って来てくれるような鳥が欲しいと言ったのがきっかけです。ペットショップを訪ねると、ケージの隅で独りうずくまっているコザクラインコを見つけました。気が強く、手を出すとくちばしで攻撃して来るので売れ残っているとのこと。おちゃめくんのときと同じような気持ちになり、気づいたら我が家に迎えていました」

コザクラインコのメスは性格がキツイことで知られているそうです

さくらこちゃんと名付けられた新入りを、おちゃめくんはどう迎えたのでしょうか。

「おちゃめくんは、どうも自分を鳥だと思っていないような節があるんです。窓の外を飛ぶ鳥にも、まったく反応しません。なので、さくらこが登場しても、まるで気にせず興味も示しませんでした」

一方のさくらこちゃんは「何でアタチ以外の鳥が、この家にすでにいるのよぉ!」と、不満そうだったとか。こうして、蜂巣さんの人生初の小鳥の複数放し飼い生活がスタートしました。

「このあと、あれこれハプニングも勃発し、学びや気づきや大笑いもありましたね」という新生活に関しては、後編へ続きます。

連載情報

ペットと一緒に

ペットにまつわる様々な雑学やエピソードを紹介していきます!

著者:臼井京音
ドッグライターとして20年以上、日本や世界の犬事情を取材。小学生時代からの愛読誌『愛犬の友』をはじめ、新聞、週刊誌、書籍、ペット専門誌、Web媒体等で執筆活動を行う。30歳を過ぎてオーストラリアで犬の行動カウンセリングを学び、2007~2017年まで東京都中央区で「犬の幼稚園Urban Paws」も運営。主な著書は『室内犬の気持ちがわかる本』、タイの小島の犬のモノクロ写真集『うみいぬ』。かつてはヨークシャー・テリア、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らす。東京都中央区の動物との共生推進員。

Page top