【ライター望月の駅弁膝栗毛】
山陰本線・鳥取~益田間で運行されている特急列車「スーパーまつかぜ」。
平成15(2003)年10月、それまでの「スーパーくにびき」を改称して誕生しました。
「まつかぜ」と聞くと、国鉄末期まで大阪(京都)~博多間を山陰本線経由で12時間以上かけて結んでいたという気動車特急が思い出されます。
乗車は叶わなかった世代ですが、昔からの愛称が受け継がれるのはいいことですね。
(参考)JR西日本ホームページ
昔、特急「まつかぜ」の乗客たちは、日本海や車窓からの大山(だいせん)を眺めながら、それぞれの目的地を目指したはず…そんな旅情を思い浮かべて、通信販売で購入した鳥取の駅弁は、「アベ鳥取堂」の「大山豚ステーキ弁当」(1080円)です。
首都圏の人は東武東上線沿いの商店街や神奈川の丹沢大山から「おおやま」と勝手に読む方が多いですが、鳥取といえば「大山(だいせん)」ですので、よく勉強されて下さい。
【おしながき】
・白飯
・大山豚のステーキ
・きのこソテー(エリンギ・しめじ)
・キャベツとにんじんのピクルス
・人参煮
できるだけ国産食材にこだわったという「大山豚のステーキ弁当」。
肉厚な豚肉に香ばしいオリジナルソースがたっぷりかけられ、食欲をそそります。
これにきのこソテー、人参のグラッセも入って、お箸でいただくプチ洋食気分。
大山の山麓は、鳥取県のなかでも畜産が盛んなエリアなんだそう。
その長閑な雰囲気のなかで育まれた味は、ゆったりとした気分で味わいたいものです。
ちなみに、鳥取出身ではない私が鳥取の「大山」を「だいせん」と読めるようになったのは、平成16(2004)年まで、大阪~出雲市間(末期は米子止、倉吉から快速)で運行されていた急行「だいせん」の存在を知っていたからではないかと思います。
最近はスマートフォンを検索して時刻を調べる方も多いですが、紙の時刻表をめくるのも、じつは社会の地理や国語の知識にもつながっていると、改めて感じる昨今です。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/