津軽弁の商品名“きっくらへんぎ”とは?「ギャレスのビール」
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それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。
ビールのうまい季節になりましたね。最近は、いろいろな味のビールを楽しみたいという、ビール通が増えていますよね。
先日、瓶ビールでクラフトビールを飲んだのです。ラベルには『きっくらへんぎ』と書いてある。「きっくらへんぎって何だ?」と思いつつ栓を抜き、コップにトクトクトクと注ぐと、ふわっといい香り!
味はどうかと飲んでみたら、キリッとした苦味があって、さらにフルーティーな味わい…。アルコール度数が、何と8.5%もあって、喉ごしがいい。
「こんな旨いビールをつくる人は誰だ?」ということで、今回はそのクラフトビールをつくっている、ビール職人のお話です。
地元青森では、「ギャレスのビール」で知られています。ギャレスとは、アメリカ人のギャレス・バーンズさんのこと。
高校を卒業後、18歳から米軍の爆弾処理班に所属。日本に来たのは2005年で、三沢基地に配属され、22歳で退役。「すぐにアメリカへ帰るより、基地の外のニッポンを見てみたい」と、青森県の城下町・弘前を選んで、住むことにしました。
「弘前で、はじめは英会話を教えていました。住んでみると、季節もいいし食べ物も美味しい。とても安全なところで、みんなゆっくりと生活をしているから、『青森っていいところだな』と思っているうちに、1年が過ぎ、2年が過ぎ…。日本人の女性と結婚し、子供も2人できて、気がつけば13年も弘前に住んでいて、35歳になりました」
流暢な日本語で、気さくに話をするギャレスさんは、クラフトビールが大好き!
「アメリカには、小さなビール工場がたくさんあります。町にパン屋さん、ケーキ屋さん、ラーメン屋さんがあるように、日本にもビール屋さんがあってもいいと思ったんです。だって日本各地には、日本酒をつくる蔵元があるじゃないですか」
ビールの醸造所を立ち上げるのは、免許のことや、銀行からお金を借りるなど、スタートするまで2年かかり、「めちゃくちゃ大変だったよ」と言います。
2016年に『Be Easy Brewing』を設立。日本語にすると「ゆっくり醸造所」だとか。さらに、つくりたてのビールと料理が味わえるお店『ギャレスのアジト』もオープンしました。
この3年半で、120種類のビールをつくったそうです。1回の仕込みでそれを飲み終えたら、また新しいビールをつくる。「僕のつくるビールは遊んでいるけれど、ふざけてはいないよ」と、ギャレスさんは自分のビールに自信を持っています。
その味が品評会で賞を取るほど評判を呼び、青森県内をはじめ、北海道から沖縄まで、45都道府県のバーやレストランに、樽詰めで「ギャレスのビール」を卸しています。
ところが今回のコロナショックで、注文がすべてストップ…。この3ヵ月は「ハンパない大変さだったよ」と振り返ります。
「コロナがいつ収束するのか?」「国が助けてくれるのか?」
「そんなことを待っていられない」と、ギャレスさんは1ヵ月かけて、自分でオンラインショップを立ち上げ、瓶ビールの販売を始めました。「ギャレスのビール」は、すべて手づくり。最後の王冠も、人の手で1つ1つはめています。
ネーミングにもこだわっていて、津軽弁を使っています。「くっちべる」は“おしゃべり”。「のっつど」は“たくさん”という意味。「きっくらへんぎ」は何かと思ったら、“ぎっくり腰”ですって。
「日本全国に僕のビールと、津軽弁も一緒に届けているんです。『きっくらへんぎ』は夏にぴったりのビールだよ、ぜひ飲んでね!」
■「Be Easy Brewing」
所在地:青森県弘前市松ケ枝5-7-9
電話:0172-78-1222
■「Be Easy Brewing」公式サイト
http://m.beeasybrewing.com/
■Facebook:Be Easy Brewing
https://www.facebook.com/beeasybrewing/
■流暢な日本語で自社ビールを語るギャレスさんのYouTube
https://www.youtube.com/user/drinknihonshu
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