話題の「アマビエちょうちん」…150年続く老舗提灯店が制作
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それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。
いま、妖怪「アマビエ」がひそかなブームになっています。
「アマビエ」は江戸時代末期の1846年に、たった1度だけ肥後国…現在の熊本県の海から光輝く姿で現れたそうです。調査に来た役人に、アマビエはこう告げました。
「私は海に住むアマビエというものだが、これから6年間は豊作が続くけれど、疫病も流行する。私の姿を描いた絵を人々に早々に見せよ」
そして、海のなかへ消えて行ったというのです。それを報じたかわら版には、長い髪に鳥のようなくちばし、鱗に覆われた体、3本の足または尾びれという姿で描かれています。
「疫病退散」にご利益がある半人半魚の妖怪「アマビエ」。その姿をデザインした日本酒、甘酒、和菓子、キーホルダー、マスク、Tシャツなどなど、さまざまな商品が登場しています。
そんななか、「アマビエちょうちん」が話題を呼んでいます。茨城県水戸市の老舗、『鈴木茂兵衛商店』。創業は慶応元年(1865年)で、いまのご主人が7代目です。
提灯には三大産地がありまして、岐阜と福岡の八女、そして茨城県の水戸で製造される「水府(すいふ)提灯」。水府とは水戸の別称です。
提灯は、竹ヒゴを螺旋状にぐるぐる巻いて和紙を貼っていますが、「水府提灯」は竹ヒゴの輪をいくつも作り、それを糸で結んでいるので頑丈なのだそうです。
鈴木茂兵衛商店は、製造と卸問屋で150年続いています。お祭りやお盆、奉納で使われる「伝統提灯」の丸型、筒型、卵型…それだけでなく、オシャレなバーの看板用にも使えます。
またアウトドア用、例えばテントに吊るせる提灯や、鳥、花、星、キノコ、さまざまな形をしたオシャレな照明器具として、リビングなどに飾る提灯も人気です。
職人さんは30代~40代が中心となって、伝統技術を受け継ぎながらも新しい提灯の開発を行っています。そのなかで登場したのが「アマビエちょうちん」です。
この提灯を企画したのが、板垣翠さん。茨城大学教育学部で美術を学び、美術教師の道もありましたが「私はデザインの仕事がしたくて」と、鈴木茂兵衛商店に就職。デザイン・加工管理の仕事をされています。
「うちの社長は職人ではなく、あくまでも経営者なんですよ。伝統を守りつつも新しい技術をどんどん取り入れる社長で、ITを導入し、最新のマシンを使ってどんな注文にも応じています。ですから、アマビエちょうちんを作りたいと提案したときも、すんなりと通ったんですよ」
プライベートで絵を描いており、個展も開く板垣翠さん。空いた時間にアマビエのデザインを描き始めました。
「描きあげたアマビエを最初に見せたのが、3歳の息子です。『怖いからひっくり返して!』とベソをかいたので、これは効果てきめんと思いましたね」と笑います。
提灯は夏祭りやお盆に向けて、6月~8月が繁忙期。今年(2020年)はオリンピックイヤーのためアルバイトを募集した矢先、コロナショックでお祭りやイベントがほとんど中止に…。
「こんな年は初めてですね…。でも、提灯屋が暗くなったらシャレになりませんから、みんな明るく作業していますよ」
コロナ疲れで家族や夫婦がギクシャクしている話を聞きますが、提灯を窓辺に吊るしてみるのもいいかもしれませんね。
最後に、鈴木茂兵衛商店のコーポレートメッセージを紹介します。
「提灯の 美しい 新しい 楽しい を日本から」
■株式会社 鈴木茂兵衛商店ホームページ
https://www.suzumo.com
■風鈴提灯「えん」
5月20日発売
無地:12,500円(税別)
柄入3種(金魚・桔梗・蜻蛉):13,500円(税別)
家紋入り:追加料金3,000円(税別)
https://www.suzumo.com/lineup/fuurin_en/
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