24年の歳月をかけて栽培! 青森県産さくらんぼ「ジュノハート」
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ニッポン放送「週刊 なるほど!ニッポン」(6月21日放送)では、「青森県が生んださくらんぼが全国デビュー! 幸運のさくらんぼ『ジュノハート』とは?!」というトピックスを紹介した。
いま、世界では「さくらんぼ」の品種が1300以上あると言われている。日本では、およそ30種類が栽培されているそうだ。
そんななか、青森県が「ジュノハート」という新品種のさくらんぼを開発し、この夏に全国デビューを予定している。いったい、どんな品種なのだろうか?
青森県総合販売戦略課・ブランド推進グループの長内優介さんに、立川晴の輔が話を伺った。
晴の輔:青森県の農産物といえば、りんごのイメージですが、今回はさくらんぼなのですよね。
長内:実は青森県では、太平洋側の岩手県に近い地域に、さくらんぼの産地が昔からあるのです。本県のさくらんぼ栽培は、りんごを風から守るための防風林として、りんごの木の近くに植えられていたという経緯がございます。
晴の輔:逆のイメージですね。さくらんぼは小さくて、可愛らしいではないですか。
長内:さくらんぼの木は、青森県の冷たい季節風「やませ」の影響を非常に受けにくい、風に強い作物で、栽培が進んでいました。
晴の輔:知らなかったです。今回、全国デビューする「ジュノハート」は、どのような特徴があるのでしょうか?
長内:まずは、とても大きいという特徴があります。国内品種で最大級の大きさと言ってもいいと思います。さくらんぼは佐藤錦が有名ですが、L~2Lサイズで大玉と言われるところ、ジュノハートは3Lサイズが中心という規格になっております。
長内:形は、かわいらしいハート型をしています。
晴の輔:見た目から心が掴まれますね。
長内:色も、美しいルビー色、ワインレッドのような深い赤色です。まさに『ハート型』と言えるような色味です。
晴の輔:味はどのような感じですか?
長内:糖度は20度ぐらい、佐藤錦にも匹敵する甘さです。酸度は少なめですので、上品な甘さを味わえると思います。
晴の輔:品もあるわけですね。「ジュノハート」という名前は、どこから来たのですか?
長内:平成17年(2005年)、原木が研究機関の近くで栽培されていたのですが、その近くで山火事があり、原木の3本手前まで火が迫っていました。ぎりぎりで被害を免れ、「幸運を持ち合わせたさくらんぼ」というエピソードがあるのです。家庭の幸福を司る、ローマ神話の『ジュノ』という女神様がいるのですが、それにハート型の『ハート』を合わせて、命名させていただきました。
晴の輔:そんな逸話があったのですね。食べると「幸運」も体のなかに取り込まれそうですね。
長内:ぜひ、大切な方に贈っていただきたいと思います。事業計画は平成8年(1996年)から策定して、スタートしました。
晴の輔:そうなると、24年の歳月をかけているのですね!
長内:青森県が総力を挙げて、皆様にお届けしたいと考えている品種となります。
晴の輔:全国デビューはいつごろですか?
長内:果物ですので、気象条件によって多少、収穫時期に変動が出てまいります。今年(2020年)は6月末ごろから収穫できそうな見込みですので、7月上旬には、皆さんにお届けできると考えております。
晴の輔:とても楽しみですね。
長内:全国の皆さん、そして世界に向けても発信して行けるようなさくらんぼだと思います。
晴の輔:「ジュノハート」は、何かとの掛け合わせでつくられたのですか?
長内:甘みの強い『紅秀峰』に、果実が大きい『サミット』を交配育成したところ、奇跡的にひときわ大きいハート型になったものが、後々の『ジュノハート』の誕生となります。
晴の輔:いいとこ取りですね。
長内:まさにそんな感じです。
晴の輔:でも開発は、すぐに上手く行くわけではないですよね。
長内:実際にできた果実のなかでも、14年以上も選抜作業を繰り返して、特にいいものを選び、さくらんぼ農家の方に試験栽培していただきました。
晴の輔:14年も!
長内:道のりは長かったです。
晴の輔:大きいものが生まれたときは、嬉しいでしょうね。
長内:最高に嬉しかったと思います。奇跡的な品種です。
晴の輔:今夏、全国デビュー予定です。青森県内では、どこかでもう食べられたりするのですか?
長内:実は昨年(2019年)6月に、全国デビューに先駆けて、青森県内5ヵ所で販売しました。
晴の輔:反応はいかがでしたか?
長内:「食べ応えがあって非常に美味しい」と大好評でした。販売した店舗でも即完売という、ありがたい状況でした。
晴の輔:準備は万端ですね。
長内:全国の皆さんに、自信を持ってお届けいたします。