諸塚村の弁当箱「めんぱ」~金属や接着剤は使わない職人技

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ニッポン放送「週刊 なるほど!ニッポン」(6月14日放送)では、「世界農業遺産の村! 宮崎県諸塚村で古くから愛されているお弁当箱『めんぱ』とは??」というトピックスを紹介した。

ニッポン放送「週刊 なるほど!ニッポン」

宮崎県北部、世界農業遺産に認定されている諸塚村。この観光協会が、地元で古くから親しまれている「めんぱ」と呼ばれるお弁当箱をネット販売したところ、大きな反響があったという。

「めんぱ」とは、どんなお弁当箱なのか? 諸塚村観光協会事務局の田邉薫さんに、立川晴の輔が話を伺った。

 

晴の輔:諸塚村で昔から親しまれている「めんぱ」とは、どんなお弁当箱なのですか?

田邉:木を曲げてつくられたお弁当箱で、地域によって読み方がいろいろあります。一般的には「曲げわっぱ」と呼ばれていますが、宮崎では「めんぱ」と呼んでいますね。

晴の輔:「わっぱめし」などはよく聞きますけれど、その器ですよね。訛って「めんぱ」となったのでしょうか?

田邉:そうなのかも知れません。

晴の輔:どのような素材なのですか?

田邉:地元で採れた、杉や檜の木を使っていますね。

晴の輔:「おひつ」のようなイメージですかね。

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田邉:そうですね。檜の木は、曲げて使う部分ですね。杉の木は、底にはめ込む板の方です。曲げたところを止める部分は、桜の木の皮を使っており、すべて天然の素材で仕上げています。金属や接着剤は使用していません。

晴の輔:接着剤も使っていないのですね。

田邉:そこは職人のこだわりです。

晴の輔:その特徴は、どういうところになりますか?

田邉:塗りなどの仕上げをせず、無垢な状態のままなのですね。ですから、木が水分を吸収したり、吐き出したりしてくれます。ご飯の水分なども、ちょうどいい感じに調節してくれます。

晴の輔:プラスチックのお弁当箱だと、水滴が蓋に付いてポトポト落ちて、べちょべちょになってしまいます。ヒノキの香りもほんわかする感じですか?

田邉:そうですね。

伝統工芸士・甲斐安正さん

晴の輔:「めんぱ」は、そう簡単につくることができないと思うのですが、いかがですか?

田邉:宮崎県から伝統工芸士として認定されている、唯一のつくり手である甲斐安正さんが、「めんぱ」をつくっておられます。

晴の輔:1つ1つ手づくりなのですね。そう考えると、お弁当にはおかずがいっぱい詰まっていますけれど、そのお弁当箱にも職人の気持ちが詰まっているのですね。

田邉:そうですね。また、伝統工芸士のメンバーに教えてもらって、自分で手づくりできるという体験会もやっています。つくったお弁当箱で、手づくり弁当を持って行けるようになるわけですね。

晴の輔:とてもぜいたくですね。ちなみに田邉さんは、諸塚村のご出身なのですか?

田邉:僕はもともと東京・渋谷で生まれ育ちました。こうした村での生活は面白いなあと思い、移り住んで12年ぐらいになります。

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晴の輔:諸塚村に魅力を感じられたのですよね。

田邉:「めんぱ」もそうなのですけれど、森の資源を使った暮らしがあることに、すごく興味を持って移り住んで来ました。

晴の輔:諸塚村は、林業の町になるのですか?

田邉:そうですね。林業、椎茸栽培が主な産業で、村全体面積の92%が山林という土地柄になります。

晴の輔:山に入ってお仕事をされている方が多いのですね。

田邉:そうですね。自分で「めんぱ」のお弁当をつくって持って行きますよ。

左はヒノキ、右はねむの木が材料

晴の輔:職人の方たちは、どんなお弁当を持って来られるのですか?

田邉:林業の場合、夏場は「下刈り」という過酷な仕事がありますので、しっかりと食べます。めんぱに詰めた美味しいご飯と、「油味噌」と呼ばれるまぜ味噌を持って行きます。それぞれ家庭の味があって、味噌のなかに“いりこ”や玉子などを入れて、しっかりとご飯をいただき、午後からの栄養源にします。

晴の輔:諸塚村の魅力は何ですか?

田邉:季節を通じて、山林の資源を暮らしに取り入れています。産業は林業や椎茸栽培ですけれど、イノシシや鹿を獲るジビエ関係ですとか、養蜂もあります。スズメバチの子である「はちのこ」をいただいたり、森の恵みをいただきながらの暮らしは、すごく面白いと思います。

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