新神戸駅「令和の嗜み弁当」(1000円)~神戸で「昭和の音」を聴いたら令和の駅弁!

By -  公開:  更新:

【ライター望月の駅弁膝栗毛】

新神戸駅「令和の嗜み弁当」(1000円)~神戸で「昭和の音」を聴いたら令和の駅弁!

103系電車・普通列車、山陽本線(和田岬線)・兵庫~和田岬間

久しぶりの神戸、首都圏では見かけなくなったスカイブルーの電車がやって来ました。
コチラは、いわゆる“国電”として活躍した103系電車。
いまも山陽本線・兵庫~和田岬間の支線、通称「和田岬線」で活躍を続けています。
スカイブルーの103系電車は、首都圏では京浜東北線(東海道・東北線の各駅停車)、関西地区では東海道・山陽線の普通列車(京阪神緩行線)でおなじみでした。

新神戸駅「令和の嗜み弁当」(1000円)~神戸で「昭和の音」を聴いたら令和の駅弁!

103系電車・普通列車、山陽本線(和田岬線)・和田岬~兵庫間

国鉄生まれの大きなモーターの音を響かせて、103系電車が兵庫運河を渡ります。
兵庫~和田岬間の列車は、周辺の工場の通勤輸送に特化したダイヤとなっているため、平日の朝夕は頻繁に運行されますが、休日はわずか2往復のみとなります。
平清盛の時代には大輪田泊として日宋貿易の拠点となり、江戸時代には兵庫津として栄えてきたこの地を、昭和の高度成長期を象徴する通勤電車が令和の世を走ります。

(参考)兵庫県公式観光サイト

新神戸駅「令和の嗜み弁当」(1000円)~神戸で「昭和の音」を聴いたら令和の駅弁!

令和の嗜み弁当

そんな時代の移り変わりを感じさせる神戸のまちを歩いて新神戸駅を訪れると、2020年8月7日に発売したという新作駅弁、「令和の嗜み弁当」(1000円)を見つけました。
神戸を拠点に、京阪神地区のさまざまなアイディア駅弁を開発してきた「淡路屋」。
コチラは、いったい何をもって“令和の嗜み”としているのでしょうか?
さっそく、気になるふたを開けることにいたしましょう。

新神戸駅「令和の嗜み弁当」(1000円)~神戸で「昭和の音」を聴いたら令和の駅弁!

令和の嗜み弁当

新神戸駅「令和の嗜み弁当」(1000円)~神戸で「昭和の音」を聴いたら令和の駅弁!

令和の嗜み弁当

何とこの駅弁、今年(2020年)の流行語にも選ばれた疫病退散に縁のある妖怪・アマビエが描かれた「飛沫感染予防シールド」なるものが、駅弁の折の上蓋に織り込まれているんです!
組み立て方はカンタンで、ふたを開けたらシールドの部分を開いて、突起の部分を側面の穴に差し込むだけで出来上がり。
コロナ禍だからこそ誕生した、画期的な新作駅弁と云えましょう。

新神戸駅「令和の嗜み弁当」(1000円)~神戸で「昭和の音」を聴いたら令和の駅弁!

令和の嗜み弁当

「飛沫感染予防シールド」を組み立てると、こんな感じ。
駅弁らしく折を手に持っていただくことも想定して、シールドの下部には左右共に指穴が設けられているのが興味深いところです。
「淡路屋」によると、滑り出しは上々で、いまは少人数での会議などでの注文も多いそう。
ただ、シールドが結構目立つ分、「列車のなかでいただくには少々恥ずかしい」という声もあったそうで、デザインはさらにブラッシュアップしていきたいと話しています。

新神戸駅「令和の嗜み弁当」(1000円)~神戸で「昭和の音」を聴いたら令和の駅弁!

令和の嗜み弁当

【おしながき】
・ご飯(赤飯・白飯・赤しそふりかけご飯・炊き込みご飯) 梅干し
・鱒の塩焼き
・蒲鉾
・玉子焼き
・蓮根酢漬け
・牛肉煮
・鶏肉煮
・鶏つくね
・煮物(南瓜・里芋・人参・たけのこ・がんもどき・こんにゃく)
・枝豆入りひじき煮
・ししとう素揚げ
・小松菜と人参のおひたし
・あんこ餅

新神戸駅「令和の嗜み弁当」(1000円)~神戸で「昭和の音」を聴いたら令和の駅弁!

令和の嗜み弁当

4種類のご飯で、老若男女誰でも楽しめる駅弁に仕上げたという「令和の嗜み弁当」。
飛沫感染予防シールド付き駅弁の第1弾という位置づけということもあって、焼き鱒・蒲鉾・玉子焼きの“三種の神器”が入った、正統派の幕の内駅弁となっています。
不特定多数が集まる列車での移動に不安を憶える方も少なくないなかにあって、工夫によって、少しでも不安を減らそうとする努力は、大いに「買い」の駅弁。
その意味でも、「駅弁は時代を映し出す鏡である」と云えましょう。

新神戸駅「令和の嗜み弁当」(1000円)~神戸で「昭和の音」を聴いたら令和の駅弁!

321系電車・普通列車、東海道本線・神戸~元町間

かつて103系電車が行き交った京阪神緩行線を、平成生まれの321系電車が走ります。
通勤電車では、朝夕の混雑が気になりますが、報道によれば、「寒さが厳しくても電車の窓開けは徹底を!」と伝えられています。
昭和のすきま風たっぷりの通勤電車を思い出しながら、この冬は多少の寒さは我慢して、通勤・通学もマスク着用、会話は控えめに、“令和の嗜み”を実践していきたいものです。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

Page top