キャッチーな方がウケがいいと思っているのか……相次ぐ反ワクチン接種報道への疑問

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医師で、国際保健医療政策が専門の東京大学大学院 国際保健政策学教室・坂元晴香 特任研究員が1月26日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。日本におけるワクチン接種のメディア報道の課題について、辛坊とともに議論した。

英製薬大手アストラゼネカなどのロゴと、新型コロナウイルスワクチンのラベルが貼られた薬瓶と注射器(イギリス・ロンドン)=2020年11月17日 EPA=時事 写真提供:時事通信

菅総理大臣は1月25日の衆議院予算委員会で、全国民に必要な数量の新型コロナウイルスワクチンを確保する時期について、6月を目指していると表明。ワクチンの接種に向け動き出す一方で、コロナワクチンの接種を希望するかどうか、女子高生限定でアンケートした内容がワクチンの不安や副作用を煽っていると批判を集めるなど、反ワクチン接種報道も相次ぎ、メディアのあり方が問われている。

辛坊)今回の新型コロナワクチンに関しての現状のメディアの報道について、先生はどう感じていらっしゃいますか

坂元)そうですね。特に、地上波というのですか、テレビの報道をみていると、副反応について、例えば海外で起きたアナフィラキシーのことだけを過剰にフォーカスを当てていたりします。接種している人数の総数に占めるアナフィラキシーが起きている割合をみると、そこまで大騒ぎするほど多いわけではないのですが、あたかも「アナフィラキシーで何人」みたいなことだったり。あとは先ほど少し冒頭でもお話しされていましたけれども、女子高生100人に聞いたアンケートとかで、少しワクチンを煽るような報道のスタンスがいまのところ多いように感じています。

辛坊)子宮頸がんワクチンのときの教訓を生かしていないというか、同じことをやっているよねっていう印象ですか。

坂元)おそらく、キャッチーな方がウケがいいと思っているのかなとみているんですけれども、例えば女子高生へのアンケートと同じようなタイミングで「医師に聞きました あなたはワクチンを打ちますか? 打ちませんか?」みたいなアンケート特集をやっている雑誌があったり。そういうものをみていると、冷静に科学的事実を淡々と伝えるということはないのかなと思いますし、もう少し根本的なところで言うと、ワクチンが日本で普及しないといつまで経っても私たちはこの生活から抜け出せないんですね、当分のあいだ。それを考えると、人々がワクチンを打たないように仕向けることでどうしたいのかなという根源的な疑問はあります。

辛坊)おっしゃる通りなんですけれども、もう1つ、私は危惧を抱いていることがあって、今回のワクチン3600万人、先行接種高齢者が65歳以上ですよね。65歳以上のなかには90歳代とか100歳代も含まれているわけですよ。1年間に130万人の高齢者が亡くなることを考えると、打った直後に亡くなる人ってそれなりの数になると思うんですね。いまのメディアの報道の状況をみると、「ほら、高齢者がワクチン接種をしたあとこれだけ死んだ」という大騒ぎになりかねないんじゃないかなというすごい危惧があるのですが。

坂元)はい。それはもう、絶対にあると思います。おっしゃる通りで、ワクチンを打ったあとに亡くなる方というのは、まったく因果関係を別にして、ほかの病気とかで亡くなる方は一定数発生すると思うんです。特に高齢者はおそらく、100歳を超えている方などは特にその可能性は高いと思うのですけれども、そのときにどうマスコミが報道するのかなというのは同じように危惧していまして、きちんとした因果関係がないものを「ワクチンを打ったあとに何名死亡」みたいに新聞の見出しが出ることなどは、容易に想像がつきます。

番組情報

辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!

月~木曜日 15時30分~17時30分

番組HP

太平洋横断にチャレンジする、辛坊治郎の帰りを待ちながら、期間未定で日替わり助っ人パーソナリティがいま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組。
[パーソナリティ]月曜:立川志らく/火曜:週替わり/水曜:吉田尚記アナウンサー/木曜:飯田浩司アナウンサー
[アシスタント]増山さやかアナウンサー


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