【ライター望月の駅弁膝栗毛】
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185系電車・特急「踊り子」、東海道本線・早川~根府川間(2020年撮影)
3月で定期列車からの引退が発表されている185系電車。
「踊り子」号の東京~熱海間では、伊豆急下田発着と修善寺発着の列車を併結した15両編成で運行される列車もあり、在来線最長の特急列車としても知られてきました。
3月のダイヤ改正は、桜の季節にはちょっと早い時期。
桜とグリーンストライプの「踊り子」を一緒に見ることは、もうないのかも知れません。
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185系電車・特急「踊り子」、東海道本線・早川~根府川間(2020年撮影)
小田原の郊外、早川から根府川にかけての東海道本線沿線は、随所に桜の木があって、花の時期には、市によって整備されているウォーキングコースに沿って駅間を歩きながら、石橋山古戦場などの史跡を訪ねつつ、時折やって来る列車を眺めることもできます。
列車が巻き起こす風で、ひらひらと桜の花びらが舞い散る時期が、とても好きですね。
40年続いた桜とみかん畑、ときどきグリーンストライプという風景も思い出となっていきます。
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ひらひら桜すし
そんな東海道本線沿いの桜を思い浮かべていただきたい駅弁といえば、小田原を拠点に駅弁を製造する「東華軒」の「ひらひら桜すし」(1180円)。
令和2(2020)年に登場した新作の春季限定駅弁で、今年も2月1日から4月上旬ごろまでの予定で販売されています。
桜色のパッケージが、ひと足早く「春」を運んでくれますね。
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ひらひら桜すし
【おしながき】
・スモークサーモン桜花寿司
・金目鯛炙り桜花寿司
・梅ちりしそ巻き寿司
・広島菜寿司
・桜餅
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ひらひら桜すし
桜色の紙蓋を開けると、“桜すし”の名にふさわしく、なかも華やいだ明るい雰囲気!
香ばしいスモークサーモンと炙り金目鯛の押寿しをメインに、しそと大阪菜の寿しが、いいアクセントになっていて、デザートに桜餅まで入っています。
ちなみに、押寿しの酢飯には、神奈川県西湘地区特産の八重桜も混ぜ込まれています。
駅弁で心地よく“春”を感じられて、ウキウキする構成ですね。
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N700系新幹線電車「ひかり」、東海道新幹線・小田原~熱海間(2020年撮影)
ご紹介した「ひらひら桜すし」は、小田原・熱海の東海道新幹線改札内の売店のほうが、お目にかかりやすい駅弁。
なお、国鉄時代から行われていた新幹線と特急「踊り子」の乗継割引(踊り子の特急料金が半額となる割引)は、3月のダイヤ改正に合わせて終了となります。
桜咲く春は、いろいろな物事が変わっていく季節でもあります。
連載情報
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ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/