ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」(3月7日放送)に、教育評論家の親野智可等(おやの ちから)が出演。子どものしつけと片付けについて語った。
自見はなこ:今回も親野智可等さんに、しつけにおいて大切なことをお伺いします。「叱りながらやると逆効果になってしまう」というのは、どういうことですか?
親野:「歯磨きしないとダメ」「片付けをしないとダメ」と言うと、本当の価値がわからないままやってしまう。つまり、叱る人がいないとやらないのです。
自見:親野さんの著書のなかで、「すっぱい葡萄」という言葉が出て来ます。
親野:イソップ童話にある話です。狐が葡萄を見つけて、食べたいからジャンプする。高いところにあるから何度ジャンプしても届かず、そして最後には諦めます。そのときに狐は一言、「あの葡萄はすっぱいから僕は食べない」と言う。葡萄の価値を下げることによって、自分のエゴを守ったのです。これと同じことが、人間にはあらゆる場面であります。例えば子どもが片付けをしろと言われたとき、「片付けよりも健康の方が大事だよ」と言い返す。つまり片付けの価値を下げることで、自分を守ろうとする。
自見:人間心理の奥の深いところですね。また、皆さんしつけで困っているなかに「片付け」の問題があると思うのですが、片付けは手伝ってあげてもいいのでしょうか?
親野:合理的な工夫は大事ですが、それでもできない子がいます。いろいろな人たちを見て来て、自分のなかでは結論が出ているのですが、「片付け」ができるかどうかは生まれつきなのです。環境や親のしつけではあまり変わりません。
淵澤由樹(アシスタント):衝撃です!
親野:640件の家庭訪問をしたのですが、いたるところで証拠を見て来ました。親のしつけで片付けができるようになれば、兄弟全員ができるようになるはずです。生まれつきの部分が非常に大きいのです。私は「片付けを手伝ってあげてもいい」と言っています。「それでは自立できない」と言う人がいますけれど、自立ってそういうことではないのです。やりたい遊びをやっている子は、自立ができているのですよ。ただ「片付けが苦手」なだけで、大人になるとできるようになる確率は高いです。
自見:子どもは自ら育つので、過度に心配しなくてもいいのかも知れませんね。
番組情報
この番組は、子育てで日々奮闘しているママやパパ、そしておじいちゃん、おばあちゃん、ご近所さんなど、子育てに関わる皆様に、役立つ情報を提供してゆく子育て応援プログラムです。
ナビゲーター:尾木直樹 アシスタント:淵澤由樹(フリーアナウンサー)