【ライター望月の駅弁膝栗毛】
首都圏では、国鉄生まれの185系電車「踊り子」引退が話題になったこの春。
岡山から山陽本線・伯備線・山陰本線経由で出雲市との間を結んでいる「やくも」号では、まだ国鉄生まれの381系電車が健在です。
特急「やくも」は、昭和47(1972)年の山陽新幹線岡山開業に合わせ、気動車で運行を開始し、昭和57(1982)年から、現在の381系電車となっています。
(参考)JR西日本ニュースリリース・2012年8月28日分ほか
さて、「やくも」が発着する岡山駅の売店で、チョット変わった容器の駅弁に出逢いました。
名物駅弁「桃太郎の祭ずし」は桃色の桃形容器だったはずですが……何と「黒い」!!
コチラの駅弁は、「春限定 桃太郎のあなごめし」(1380円)と言います。
岡山駅弁「三好野本店」が製造し、2月1日~4月30日までの春限定で販売している、新作駅弁なんですね。
【おしながき】
・味付けご飯
・焼き穴子
・あさりのしぐれ煮
・焼き竹の子煮
・錦糸玉子
・紅生姜
“黒い桃形容器”のふたを開けると、真ん中にはたれがたっぷり塗られてテカテカに輝く、太い焼き穴子が2本、ドーンと横たわっています!
これに焼き竹の子の煮つけ2個と、あさりのしぐれ煮がたっぷり入って、春らしさを演出。
あなご“めし”ですのでご飯は味付けご飯ですが、この容器で酢飯ではないのも新鮮です。
駅弁好きのアナタなら、まずは「黒い桃形容器」をしっかり押さえたいところですね。
これまで6~7両編成で運行されることが多かった特急「やくも」ですが、コロナ禍以降は、4両に減車、日中は2時間に1本に減便されています(大型連休は通常通りの予定)。
長めの編成で振り子を効かせて、中国山地のカーブを駆け抜ける姿が美しい「やくも」。
お出かけにいい時期になってきたら、駅弁とともに“最後の”国鉄生まれの特急電車の旅を楽しみたいものです。
(参考)JR西日本ニュースリリース・2021年3月19日分
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/