東京都医師会会長の尾﨑治夫氏が5月6日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。新型コロナウイルスのワクチン接種について解説した。
飯田浩司アナウンサー)先日、河野ワクチン担当大臣の話を聞いたのですが、ゴールデンウィーク明けには毎週1000万回分が届くのだと。「いよいよワクチンが来るようになったな」と思う方、あるいは「遅れがちだな」と思った方も多いかも知れませんが、ようやく動き出しているように見えました。会長はどうご覧になりますか?
尾﨑)医療従事者についても、私も先日ようやく1回目を打ちました。それから、いまは医療従事者でも、医師会、歯科医師会、薬剤師会に入っている方はだいたい打ち終わって来ました。そういうところに入っていない医療従事者の方、救急隊員の方、訪問看護師の方などには、これから打ってもらいます。私の市(東京都東久留米市)の場合は、5月10日から高齢者の予約が始まって、17日ごろから打つ態勢に入るというような形になっています。
飯田)高齢者のなかには、「接種券が届いた」ということをメールなどでくださるリスナーの方もいらっしゃいます。これから先の注意点としては、どういったところがありますか?
尾﨑)注意点としては、市や区によって集団接種のみのところ、あるいは集団接種と個別接種を行っているところなど、仕組みがいろいろあります。お手元に来た書類を、まずは冷静に読んでいただくことが大事です。それから、肩までまくれるような服装で来ていただくといいと思います。例えば着物などで来てしまうと、やはり時間がかかってしまいます。ノースリーブやTシャツなど、上着を脱いだらそういう形になれるような服装で来ていただけるといいですね。
もう1つは、日本のワクチン行政の特徴として、予診票にどのような病気があるかをしつこく書いてあります。「アレルギーはどうか」など、そういった項目を見て、「私はいろいろな病気があるな。そう考えると、私はワクチンを打ってはいけないのではないか?」と思っている方が多いのです。しかし、弱っている方や持病がある方、特に高齢の方には、むしろなるべく打っていただきたいのです。「私はたくさん病気があって……」という方でも、強いアレルギーがない方であれば、このワクチンは比較的安全に打てます。感染症の重症化予防の効果も強いですので、ぜひそういう意味で、積極的に打っていただくことをお願いしたいです。
飯田)接種を1日でどれだけこなせるかというところで、気になることを聞きました。「ものは来るけれども、打つお医者さんの数の問題になって来ます」と、政府からはある意味で丸投げの形になるような答えが出ています。お医者さんだけでは足りないのならば、歯科医師さん、あるいは薬剤師さんなどにも頼んで欲しいということまで出ていますが、その辺りの議論はどうですか?
尾﨑)全国で見ると、そういうところは必要になると思います。東京に関しては、いまのところドクターが足りないということはないと思いますが、現場からは普段の日常診療をやって、個別接種もやって、なおかつ土日の集団接種に呼ばれたりすると、「休む暇が全然ない」という悲鳴も聞こえて来ます。
飯田)そうですよね。これだけの人口でそれを打つということになると……。
尾﨑)いろいろな困難があると思いますけれども、地区の先生方と一緒に取り組んで行きたいと思っています。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます