災害に強い「窓ガラス」とは? 台風が来る前に知ってほしい、住まいを守る「防災対策」

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9月1日(水)は「防災の日」だが、“防災に適した窓ガラス”があることをご存じだろうか? 今回、ニッポン放送 NEWS ONLINE編集部では、さまざまな防災対策がある中から「窓ガラス」にフォーカス。災害時の被害を最小限に抑えられる窓ガラスや、自然災害に備える重要性について、板硝子協会・池田直輝さんに話を伺った。

今年2021年も台風による甚大な被害があり、つらいニュースが多くあった。台風の発生数は1951年からの平均では、年に約26回発生、一番台風の発生が多い月は平均5.5回の8月で、9月、7月と続く。台風の風速は強い場合は30m/秒にもなり、あらゆる物を吹き飛ばし、これが窓ガラスに当たれば当然割れ、部屋の中に鋭いガラス破片が散らばり、雨・風が入り込んで、生活できる状態ではなくなってしまう。

しかし、最近の窓ガラスには、割れにくく、かなり強い衝撃を受けてもひびが入るだけで済む、災害時に強いガラスがあるという。

池田さん:毎年台風が発生して、日本各地でつらい被害が出ています。物が強風で飛んで、ガラスが割れて貫通し、雨・風で部屋の中がめちゃくちゃになってしまった様子を、ニュースでもよく見ますよね。ですが、物が飛んで来ても貫通しない「防災安全合わせガラス」というものがあるんです。

――防災に適したガラスがあるのですね。

今年令和3年は、国が“国土強靭化元年”と位置づけているのですが、ガラスはこの国土強靭化に必要とされている建築材料の一つでもあります。

――ガラスを見直すことが、国土強靭化に繋がるのですか?

国土強靭化とは、台風や地震といった災害があった時に、できるだけ普段の生活に戻れるように、また、被害が最小限になるように備えましょうということですが、すべての建物には必ず窓が付いていますよね?

――確かに、必ず窓が付いています。

防災安全合わせガラスなら割れにくいですし、強風で物が飛んできてもひびが入るだけで済みますから、やっぱり台風が多い所では、そういったガラスを使っていただいた方が、災害にあっても、早く元の生活に戻れるということです。

――防災には「防災安全合わせガラス」を選んでほしいということですね。

この針金が入っている網入りガラスと透明のガラス、どちらが丈夫そうに見えますか?

――針金が入っているガラスの方が頑丈に見えます。

実はこれが一番弱いんですよ。この針金が入っているガラスは「防火用ガラス」で、隣の建物に火が延焼するのを防止してくれます。家と家の距離が近い所では、法律でこの針金のガラスなどを入れるように定められています。

――透明のガラスの方が、すぐに割れそうに見えますが……。

これ、ただの透明のガラスに見えますよね? 今回、分かりやすいように加工してきたのですが……。見てください、ガラスとガラスの間に「樹脂」が入っているんです。

――わっ! これは驚きです。ただの透明のガラスにしか見えないのに、こんな物が間に挟まっているんですね!

この透明のガラスが先ほどから話題にしている「防災安全合わせガラス」で、真ん中に透明な樹脂が入っています。これ、みなさんの身近でもよく使われていて、車のフロントガラスはこの「透明な樹脂を挟んだ合わせガラス」が使われているんですよ。

――普段、車のフロントガラスも正面からしか見ないので、一枚のガラスだと思っていました。

車のフロントガラスは、この「防災安全合わせガラス」の構造と同様に使われているので、高速道路で小石が飛んできても、絶対に割れないですよね? 看板のような大きな物が飛んできても、車のフロントガラスはひびが入るだけで貫通しません。ですから、これを建物の窓ガラスにも使ってもらえれば、台風での被害を最小限に抑えられます。

――家の窓ガラスが割れた状態で生活するのは難しいですから、そうなる前に、丈夫なガラスを選んでほしいですね。

――台風では傘や、屋根の瓦とか、ひどい時には自転車も飛んできたりしますが、「防災安全合わせガラス」なら貫通しないのですか?

真ん中に入っている樹脂膜の厚みがいろいろあるので、その厚みや、飛んでくる物の重さとか風のスピードにもよって変わってくるのですが、一番樹脂の厚みがある究極の合わせガラスがいわゆる防弾ガラスです。

――なるほど。厚みがあればあるほど安全度が増すし、究極、弾丸も防げると。

これだけ頑丈で割れにくいので、「防災安全合わせガラス」は防犯の面でも役に立ちます。

――ガラスで泥棒の侵入も防げるのですね。

さらに、紫外線を99%以上もカットする特徴もあるので、人の肌や、家具を守ってくれます。

「防災安全合わせガラス」について、『本当に安全なの?』と思われる方もいると思いますが、さまざまな試験をクリアして第三者機関のBL-bs(Better Living for better society)認証を得ていますから、ぜひ安心して選んでほしいです。

――第三者機関に認証されていると聞くと、より安心して購入できますね。

本当に防災に適したガラスなのですが、実は普及率が10%ぐらいで、災害時に多くの市民の方が一時避難する学校の体育館でも、昨年2020年の時点で、3%ほどしか「防災安全合わせガラス」が採用されていません。

――たったの3%……。体育館のような避難所は、設備が万全に整っているイメージでした。

避難していながら、そこでガラスが割れて破片が飛び散ったり、雨・風が入ってきては大変です。ですから私達は毎年、小・中学校に「防災安全合わせガラス」を寄贈する活動を行っています。この寄贈活動では、学生さんや先生方に、普通のガラスや「防災安全合わせガラス」を金づちで割ってもらって、「防災安全合わせガラス」は割れにくい、どれだけ力を入れて叩いても貫通しないということを、実際に体験してもらっています。

――多くの避難所で頑丈なガラスが採用され、本当に安全で安心できる場所になるとうれしいですね。

――「防災の日」である9月1日といえば、まだまだ残暑が厳しく、真夏日のような日もありますが、こういう場面で活躍してくれるガラスもあるそうですね?

「エコガラス」ですね。これは断熱性と遮熱性を兼ね備えているので、夏は室内が暑くなりにくいし、冬は室内の暖かさを外に逃がさないので、一年中快適に過ごせます。家に帰ったら部屋がモワッと暑くなっていた、という経験がある人も多いと思いますが、あれはエコガラスを使うと軽減します。さらに、エアコンを使った時もすぐに快適な温度になるので、エアコン代を1/3に抑えられた例もあります。

――節電できるから、環境にもお財布にも優しいですね。

「エコガラス」は窓ガラスの「結露」に悩んでいる方にもお勧めです。ガラスに結露ができて、そのせいでカーテンや木材の部分がカビてしまい、困っている方も多いと思いますが、実は「エコガラス」に変えれば問題は解決します。

――ガラスで結露を防げるのですか?

はい。「エコガラス」は外の冷たい外気を伝えにくいので、結露を防止できるというわけです。

――まさか、窓ガラスを変えれば結露を防げるなんて、知りませんでした!

――最後に、「防災の日」に一番伝えたいことは?

“防災には窓ガラス”ということに、気付いていただけるといいなと思っています。怖い災害があった時、その後のつらい生活が待っていることは、みなさんよく分かっていると思いますが、「防災安全合わせガラス」なら、強風で物が飛んできても窓ガラスを貫通しないので安全を確保でき、被害を最小限に食い止められます。ぜひ、「防災の日」にはガラスのことを考えてほしいです。

――池田さん、ありがとうございました。

また、ニッポン放送でも「防災の日」に合わせ、8月30日(月)から9月5日(日)まで、防災への意識を再確認してもらうキャンペーン「防災ウィーク」を実施する。9月1日(水)放送の、『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』(ニッポン放送・15時30分~17時30分)にも板硝子協会・池田直輝さんをゲストに迎え、災害に強い窓ガラスについて聞きます。

番組情報

辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!

月~木曜日 15時30分~17時30分

番組HP

太平洋横断にチャレンジする、辛坊治郎の帰りを待ちながら、期間未定で日替わり助っ人パーソナリティがいま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組。
[パーソナリティ]月曜:立川志らく/火曜:週替わり/水曜:吉田尚記アナウンサー/木曜:飯田浩司アナウンサー
[アシスタント]増山さやかアナウンサー


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