書籍『農林水産省職員直伝「食材」のトリセツ』の編集を担当した、マガジンハウス・辻岡直美さんが、上柳昌彦アナウンサーがパーソナリティを務める、ラジオ番組「上柳昌彦 あさぼらけ」内コーナー『食は生きる力 今朝も元気にいただきます』(ニッポン放送 毎週月・金曜 朝5時25分頃)に出演。農林水産省職員から教えてもらったという、野菜の調理方法や、魚を買う時のコツを紹介した。
辻岡さんは、農林水産物の魅力を知り尽くした“食のプロ集団”でもある、農林水産省職員と共に食材の知恵をまとめた『農林水産省職員直伝「食材」のトリセツ』の編集を担当。
農林水産省といえば、2020年に日本の農林水産物の良さを発信するYouTubeチャンネル「BUZZ MAFF(ばずまふ)」を立ち上げて話題に。「霞が関=お堅い」というイメージを払拭する動画が多く、登録者数は11万人、ユーモアたっぷりの人気動画「農水省から皆様へのお知らせ」は再生回数95万回を突破。
そんな「BUZZ MAFF」で人気の職員をはじめ、野菜、魚、肉など、省内で話題のエキスパート達に食材の魅力を聞こうと思い立ったと、辻岡さんは語る。
■農林水産省の公式YouTubeチャンネルが衝撃的すぎる
上柳:農林水産省のお役所の職員の方に、いろいろとお話を伺って本にしたのが『農林水産省職員直伝「食材」のトリセツ』ですね。
辻岡:そうです、職員の方にたくさん登場していただいて、根掘り葉掘り取材させていただきました。
上柳:官僚の方って、なんと言いますか……堅いイメージがあるんですけど、実際にお会いして農林水産省の職員の方はどんな感じでしたか?
辻岡:私も最初はすごくビビってドキドキしていたんですが、コロナ禍の中で「BUZZ MAFF」というYouTubeチャンネルを見たんです。農水省の職員さん達自らが出演して、体を張って食材の魅力をPRしているんですけど、これがもう、衝撃を受けるぐらい個性爆発で(笑)みなさん、とってもユニークに食材の魅力を伝えているのを見て『これは行けるのではないか?』って感じたんです。
上柳:全国各地に農林水産省がありますから、そのあらゆる食のプロフェッショナル達がYouTubeで面白く紹介していると、ニュースでも話題になりましたよね。これ、いいんだ!? って思うような動画で……(笑)
辻岡:そうなんですよね、ここまでやっていいんだ!? って(笑)とはいえ、みなさん真面目に語っているから、それが妙に刺さったんです。
■トマトを美しく切る方法
上柳:YouTubeチャンネル「BUZZ MAFF」で再生回数が1番多いという方が載っていまして、その方はこの本を出版した時点では、九州農政局所属、野菜についてさまざま述べている“白石さん”という男性で。
辻岡:白石さんは「タガヤセキュウシュウ」というユニット名でチャンネルを発信していて、とにかくとってもユニークで、とってもお若く、3年目の方です。ついこの前まで大学生だったんですよね。
上柳:その白石さんが「切り方1つで野菜は変わる」と、トマトの解説をしています。辻岡:トマトは「くぼみに沿って切る」「白い放射線を避けて切る」これをするだけでも中の種やゼリーが飛び散らないので、まな板もきれいな状態で切ることができます。
上柳:トマトを切るとまな板がびしょびしょになっちゃいますけど、そうならない切り方があるんですね。トマトのお尻のところですよね、確かに白い線がすーすーっと伸びてますね。
辻岡:その白い線を避けて切るだけで、種が飛び散りません。完熟したトマトほどグシャッと潰れやすいので、ぜひ試していただきたいです。
■ピーマンは「種」も「わた」も丸ごと食べられる!
上柳:それからですね、これは驚いた……! 私はピーマンを切って、種とかわたを指で取り出して捨てていたんですが……。
辻岡:私もまったく同じです!
上柳:でも、「種」「わた」の部分に栄養がすごく集中しているらしいですね。
辻岡:そうなんですよ。白石さんにこのことを教わってから、私もピーマンを丸ごと食べるようになったんです。種とか、わたって、口に残って気になるんじゃないか? と思っていましたが全く気にならなくて! 今まで捨てていたのは何だったんだ? って。
上柳:「種」には虫から身を守る為に、種自身に天然の毒というものが含まれてはいるけれど、人間が食べても影響は無いそうですね。さらに、熱も加えますからね。そうすると毒性も消えちゃうと。
辻岡:そして、ピーマンの「わた」には結構栄養があって、血行促進効果がある「ピラジン」や「カプサイシン」というものが含まれています。そして、種には「カリウム」が含まれているので、そのまま食べた方が栄養をまるごと取ることができます。
■スーパーの「端材コーナー」にある魚も安くておいしい
上柳:魚のプロフェッショナルとして、農水省の職員 “冨澤さん”という方が「スーパーで真っ先にチェックすべきは、隅っこの端材コーナー」と紹介していますね。
辻岡:まず、この冨澤さんがとにかくマニアックでユニークな方で。自分の寝室よりも魚を飼育する部屋の方が広いっていう……(笑)
上柳:ご自宅が水族館みたいで、大きい水槽が部屋にぎっしり。部屋で400匹も飼っているそうですね(笑)
辻岡:「魚のスペシャリスト」と聞くと、各地の高級な魚を知っているイメージでしたが、冨澤さんはとても庶民的で、いかに安く、おいしく食べるかを考えていて。その中で、スーパーの隅っこに売られている切り落としとか、安く売ってるコーナーがありますが、そこで売られている、タラ、サケなどの切り落としは味噌汁の具になるし、タイの頭は炊き込みご飯にして「鯛めし」にできます。だから、ここをまずチェックしてほしいと話していました。
上柳:他にもカツオ、マグロの血合いの部分は鉄分たっぷりで、ニンニクと煮れば臭みも消えますよ――、ということも本の中で紹介されていますね。
この本の編集を担当した辻岡さん、実は料理は得意な方ではなく、スーパーに行ってもいつも同じ食材ばかり買い、料理のレパートリーの少なさに愕然としてしまうほどだったそう。ところが、いつも買わない食材でも、その魅力を熱く語られると不思議とその食材が欲しくなることに気付き、『自分と同じように、苦労している方も世の中にたくさんいるのではないか?』との思いで「食材のトリセツ」を企画したと語る。
その食材に人生をかけているような、熱い農林水産省職員が伝える“トリセツ”を知り、いつもの調理やスーパーでの買い物を工夫すれば、食生活がより豊かになるかもしれない。
マガジンハウス・辻岡直美さんと、上柳昌彦アナウンサーの詳しいトーク内容は、「食は生きる力今朝も元気にいただきます」特設コーナーHPから、いつでも聞くことが可能だ。
番組情報
「上柳昌彦 あさぼらけ」内で放送中。“食”の重要性を再認識し、「食でつくる健康」を追求し、食が持つ意味を考え、人生を楽しむためのより良い「食べもの」や「食事」の在り方を毎月それらに関わるエキスパートの方をお招きしお話をお伺い致します。
食の研究会HP:https://food.fordays.jp/