自律神経が乱れる3つの原因 ~加齢・ストレス・不規則な生活習慣
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東京都医師会理事で順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏が11月16日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。自律神経と自律神経失調症について解説した。
すべての臓器をコントロールしている自律神経
飯田浩司アナウンサー)自律神経がどういうものなのか、基本的なところを教えてください。
小林)神経には、中枢神経と末梢神経があります。中枢神経に関係するのは、皆さまご存知の脳です。末梢神経のなかには、自分で動かせる「体性神経」と、自分の意志では動かせない「自律神経」があります。
飯田)末梢神経には。
小林)自律神経は血流をコントロールしているのです。そのため、我々の「ライフライン」とも言われています。
飯田)ライフライン。
小林)血流をコントロールするだけではなく、すべての臓器をコントロールしています。血液循環や消化、排泄、生殖、免疫などの機能すべてをコントロールしているので、ライフラインであるということです。
自律神経失調症
小林)よく「自律神経失調症」という病名がつくのですけれども、いままでは、自律神経失調症について診察や判断ができなかったのです。ところがいまは測定できるようになったので、自律神経の調子が落ちていると、「自律神経の問題ですね」と言えますし、正常であれば「自律神経の問題ではないですよ」と言えるのです。「自律神経の問題ではない」と言うと、大体の症状はなおってしまいます。
飯田)病は気からのような意識が。
小林)そうですね。かなり多くの患者さんにその傾向があります。
自律神経が乱れる3つの原因 ~加齢・ストレス・不規則な生活習慣
飯田)自律神経が乱れる原因には、どういうものがあるのですか?
小林)3つあります。1つは加齢です。高齢になると自律神経は落ちて来ます。もう1つはストレス。そして、不規則な生活習慣です。過食や、逆に食べないこと、また睡眠不足や運動不足などが一般的な原因です。特に男性は30歳、女性は40歳くらいから自律神経が落ちて来ます。
新行市佳アナウンサー)飯田さんは自律神経を乱す3つの原因、加齢、ストレス、不規則な生活習慣に関して、まさにドンピシャではないですか。
飯田)全部当てはまっているし、体力の衰えも自覚しています。
自律神経の差が男女の平均寿命に関係する
飯田)男性、女性によって差があるのはなぜですか?
小林)よくわかっていないのですけれども、最終的に見ると女性の方が長生きですよね。
飯田)そうですね。
小林)10年前から血流の問題が落ちて来れば、脳梗塞や心筋梗塞、免疫機能も落ちて来ますし、がんにもなりやすくなります。そういうことにも関係するので、もしかしたら自律神経の差が平均寿命に関係しているのではないかと、我々は考えております。
気を付けなければならない年齢
新行)特にこの年代の人たちが気を付けなければならないことは何ですか?
小林)女性の場合は、子育ての真っ最中や子育てが終わるころの方に多いですね。それが強いストレスになっている。男性の方は、役職に就くときなどに変わって来ます。いままでは責任がなかったのが、責任が出て来てストレスが掛かる。それと同時に運動量も減って来るし、付き合いでアルコールの量が増えるのが関係するようです。
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医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます