オミクロン株の感染をどう防ぐか 東京都医師会副会長・猪口正孝

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東京都医師会副会長で「平成立石病院」理事長の猪口正孝氏が12月28日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。オミクロン株について解説した。

オミクロン株の感染をどう防ぐか 東京都医師会副会長・猪口正孝

変異株「オミクロン株」=2021(令和3)年12月11日、ボスニア・ヘルツェゴビナ(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

東京でも確実に増えるオミクロン株の感染者数

飯田浩司アナウンサー)オミクロン株がニュースを騒がせて久しくなりますが、東京都でも今後、感染者数は増えて行くのでしょうか?

猪口)感染者数は確実に増えて行くと思います。ワクチンを打った人は新鮮な免疫力を持っているので、コロナには強い状態なのですが、最近はワクチンを打っている人数が頭打ちになっているので、新鮮な免疫力を持っている人たちが徐々に少なくなっています。

飯田)ワクチン接種率が落ち着いて。

猪口)そうすると、どうしても感染者が増えて行く。また、年末ということで会食の機会も増え、人流も増えています。

デルタ株の初期のような感染拡大が予想される ~オミクロン株の感染

飯田)オミクロン株に関しては、感染力が高いというようなことも言われています。イギリスなどでは一気に塗り変わっているようですが、日本でも起こり得るのでしょうか?

猪口)ウイルスそのものの感染力と、集団が免疫を持っていてブロックする力があるのかないのかによって感染は左右されるのですが、オミクロン株は「免疫回避性」と言って、集団免疫を持っていてもその免疫が効かないのです。そのため、感染力が強い傾向があります。

飯田)免疫回避性。

猪口)デルタ株の最初のころを思い出して欲しいのですが、デルタ株に対しては、みんな強い免疫を持っていませんでした。そのため、ワクチンを打つことによって、獲得した免疫で「グッ」と押さえ込みました。今度のオミクロン株はワクチンがあまり効かないとされているので、日本の人口で言えば75%近い方たちに打ち、獲得した免疫は効かない可能性がある。そうすると、デルタ株が流行し始めたときのような感染拡大が考えられると思います。

オミクロン株の感染をどう防ぐか 東京都医師会副会長・猪口正孝

新行市佳アナウンサー、猪口正孝氏、飯田浩司アナウンサー

3回目のワクチン接種で抑え込む

飯田)一気にグラフが上がってしまうような事態に。

猪口)また、ブースター接種、3回目の接種が効くということもわかって来ました。デルタ株の2回目接種のときのように効くわけではないかも知れませんが、かなり効くことは確かなので、3回目の接種を早く打つことによって、デルタ株を抑え込んだときのような図式になるのだと思います。

ワクチン接種しても感染する場合もある

飯田)感染した場合、重症化する人が少ないというような報道もありますが、実際はどうなのでしょうか?

猪口)実際に南アフリカなど、既にオミクロン株が拡がっている地域では、重症化している人はデルタ株に比べると少ないようです。いままでのアルファ株などと比べても、低いようだということです。

飯田)南アフリカなどでは。

猪口)しかし、全世界でワクチンが打たれ、ある程度の免疫力を獲得しているところがあるので、その部分との比較がはっきりとはわかりません。日本でも75%の方たちがワクチンを打っているので、その方たちが重症化しにくいということは、ある程度は言えるだろうと思います。ただ、ワクチンを接種しても、あるいは感染しても免疫がつかずにそのまま終わってしまう人もいるので、必ずしも「ワクチンを打ったから安心」というわけではありません。

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