東京都医師会理事で「かずえキッズクリニック」院長の小児科医、川上一恵氏が3月7日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。新型コロナウイルス感染症「第6波」と子どもについて解説した。
第6波になって増えた子どもの感染者数
飯田浩司アナウンサー)新型コロナ第6波と子どもについての現状を伺います。年代別の陽性者数も連日発表されていますが、第5波に比べると、子どもの感染者数はいかがですか?
川上)全体としての絶対数が増えています。
飯田)私も小学校1年生の子どもがいますが、1人感染者が出たので消毒をしているとか、学級閉鎖になるというようなメールが頻繁に来ます。
子どもからの家庭内感染が増加
飯田)第6波はオミクロン株が主体と言われますけれども、現場でご覧になっていて、症状などはいかがですか?
川上)子どもの場合、38度前後の熱が1~3日間くらい出ます。その後、熱が下がって来ると、年齢の高い子は喉の痛みを訴える場合もありますが、小さいお子さんはすぐ回復するような傾向です。そのため、10日間の隔離期間はとても退屈で大変です。ただ、ウイルスは発症後7日前後は出るということなので、子どもだからと言って、隔離期間を短くすることはできません。
飯田)見た目で安心ということではなく、きちんと感染対策はしなければいけない。
川上)子どもからの家庭内感染が増えていますが、理由の1つは潜伏期間が短いので、お子さんが発症する前に家族中でうつってしまう場合があるのです。また、症状が早く収まりますので、ウイルスを出しているのだけれども、気が緩んでしまって家族の方が感染するというケースもあります。
やはり3密の徹底が効果的
飯田)以前、先生にお話を伺ったとき、基本的には親から子にうつる感染が中心で、子ども同士の感染はあまりないというデータもあったように記憶しているのですが、第6波ではどうですか?
川上)子ども同士の感染がないわけではありませんが、学校での拡がり方を見ていると、学校では3密を徹底しているので、意外に増えていません。やはり3密はポイントですね。いま学級閉鎖が多いのは、1人が発症すると、周りの生徒も濃厚接触者として休ませるため、学級閉鎖になる場合が多いようです。
小さい子どももマスクをつけるべきか
飯田)子どものマスクについてですが、いままでは小さいお子さんに関しては、小児科のお医者さんたちもリスクとメリットを考えてやりましょうというお話でした。それが「子どももつけるべきだ」という世の中の風潮になっているように思えますが、ご専門のお医者さんの立場から、どうご覧になりますか?
川上)マスクは正しくつけなければ意味がありません。幼稚園の年中くらいから上のお子さんだと、正しいマスクのつけ方を維持できるので、室内で過ごすときなどはマスクをした方がいいかも知れません。
飯田)正しくつけられるのであれば。
川上)ただ、それ以下のお子さんですと、鼻マスクになっていたり、唾で濡れてしまって感染予防として使えていない状態の場合がほとんどです。それならばマスクはつけずに、「いまはリスクが高い状態である」ということを意識して見守った方がいいのではないでしょうか。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます