自宅療養が解除されたら新たに検査する必要はない ~新型コロナ自宅療養者への誤解

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東京都医師会会長の尾﨑治夫氏が3月15日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。新型コロナ感染者が自宅療養から社会復帰する際に起こる誤解について解説した。

検査続くPCRセンター 「安心」を支える=2021年11月26日、千葉県市川市 写真提供:共同通信社

自宅療養が終わっても会社から「再度PCR検査を」と言われることが多い ~新型コロナ感染者

飯田浩司アナウンサー)オミクロン株を主体とする第6波が拡大して、陽性者数の多さがセンセーショナルに報道されましたが、一方で、回復して社会に復帰する人も多くいらっしゃいます。その辺りを現場でご覧になっていて、世間の理解がまだ及んでいないところはありますか?

尾﨑)オミクロン株の場合、軽症の方や無症状の方が非常に多いのです。そのような方は、10日間療養すると最後の3日間くらいはもう熱もないという状態になります。そうなれば「自宅療養は解除してもいい。社会に出てもいい、仕事もしていいですよ」ということになっています。

飯田)療養して熱がなくなれば。

尾﨑)その時点で「明日から会社に行ってください」と私たちは言っているのですが、そうすると会社側から「もう1度PCR検査や抗原検査をやって来い」、あるいは「療養が終わったという証明書を持って来い」というようなことを言われる方が多いのです。

10日間療養して解除されたら証明書もいらない、新たに検査する必要もない ~厚生労働省からの公式連絡

尾﨑)2月9日に厚生労働省から、各自治体に公式の事務連絡が出ています。そこには「解除されたあとに職場等で勤務を開始するに当たり、職場等に医療機関・保健所等による退院もしくは宿泊・自宅療養の証明、またはPCR検査等もしくは抗原定性検査キットによる陰性証明等を提出する必要はないこと」と書いてあります。

飯田)提出する必要はないのですね。

尾﨑)10日間療養して解除されたら、証明書もいらないし、新たに検査する必要もないということを、厚生労働省ははっきり言明しています。ぜひ職場の責任者の方は、この通達を読み取っていただいて、「10日間療養したら出社していい」という扱いにしていただきたいと思います。

新行市佳アナウンサー、尾﨑治夫氏、飯田浩司アナウンサー

療養解除後も空咳のような後遺症が残る人もいるが「感染力はない」

飯田)症状がないというのは、熱が平熱であるということだと思います。回復しても咳などが尾を引くという人もいるようですが、いかがでしょうか?

尾﨑)少し喉の痛みが残ったり、咳が空咳のような形で残る。あるいは、デルタ株よりは少ないですが、味覚・嗅覚障害の方が8%くらいいます。ただ、これらは後遺症です。「症状だけは残っているが感染力はない」という解釈をしていただきたいと思います。

飯田)科学的な見地で見ても、他の人に感染させるおそれはないということですか?

尾﨑)そうです。いままでのいろいろな研究データの積み重ねで、10日間療養することにより、ほとんど感染力がない状態になるということがはっきりしています。

感染力はないのにウイルスの痕跡のようなものに引っかかり、PCR検査で陽性と出る場合もある

尾﨑)そこで再び検査をする必要はありません。また、PCR検査などを行うと、ウイルスの痕跡のようなものに引っかかることがあります。感染力はもうないのに、いつまで経ってもPCR検査では陽性と出て、社会に出て行けないという例もあります。

飯田)本来はリスクがないから職場復帰や社会復帰できる人が、いつまでも自宅に閉じ込められることになってしまう。

尾﨑)そういうことです。それは第2波や第3波のころからありました。ある程度の療養をすれば、感染力はなくなるので、あえてそのような検査は必要ないということは当時の教訓としてもあります。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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