大船に復活したいなり寿司の駅弁、そのユニークな味わいとは?

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。

名代 鎌倉いなり

画像を見る(全6枚) 名代 鎌倉いなり

大河ドラマで注目を浴びる、源氏の棟梁・源頼朝。そのゆかりの地は、関東・東海地方を中心に、各所に点在しています。そんな源氏ゆかりの地を訪ねるときには、お供としたい鎌倉の駅弁。100年以上続く名物「鯵の押寿し」はもちろん、古くからいなり寿しの駅弁も作られてきました。一時期お休みだった期間を経て、装いも味わいも新たに登場した大船駅のいなり寿司にスポットを当ててみました。

E233系電車・普通列車、東海道本線・茅ヶ崎~平塚間

E233系電車・普通列車、東海道本線・茅ヶ崎~平塚間

東海道本線の普通列車が、相模川を渡って行きます。相模川は、またの名を「馬入川(ばにゅうがわ)」と言います。その名は源頼朝が落馬したことに由来すると言われますが、実際に落馬したところは、いまの東海道本線・辻堂駅付近という説もあるのだそうです。大河ドラマで、改めて注目を集める源頼朝ですが、鎌倉やその周辺のゆかりの地に足を伸ばしてみるのも面白そうですね。

名代 鎌倉いなり

名代 鎌倉いなり

源頼朝は、平家を打倒し新しい武士の世の中を作り上げたことで、その名を挙げました。そのきっかけは、鎌倉・佐助稲荷神社の神霊が夢枕に立って、挙兵を勧めたからだとも伝えられていて、「出世開運」にご利益があるとも言われます。そんな佐助稲荷神社の連なる鳥居が掛け紙に描かれた大船軒の“復活”駅弁と言えば「名代 鎌倉いなり」(650円)です。大船駅では数量限定で販売されており、出逢えるとラッキーな駅弁でもあります。

(参考)鎌倉市ホームページほか

名代 鎌倉いなり

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【おしながき】
・しらす山椒いなり
・鎌倉ハムと刻み生姜いなり
・金ごまいなり

名代 鎌倉いなり

名代 鎌倉いなり

鎌倉とうふのすし揚げで包まれた3つの大ぶりないなり寿司。噛みしめれば、ジュワッと揚げの甘み、そして大豆の風味が広がります。3つはそれぞれ中身の具材が異なる手が込んだ作り。「しらす山椒」「鎌倉ハムと刻み生姜」「金ごま」と鎌倉ゆかりの3つの味が楽しめるのも特徴です。なかでも「鎌倉ハムと刻み生姜」は、少し洋風の食感がユニークで、刻み生姜が食欲をそそってくれます。

E235系電車・普通列車、横須賀線・鎌倉~逗子間

E235系電車・普通列車、横須賀線・鎌倉~逗子間

「名代 鎌倉いなり」の掛け紙に描かれている佐助稲荷神社は、銭洗弁天や大仏などと、組み合わせて、鎌倉の山歩きを楽しみながらお参りする方も多い神社です。3個入りのコンパクトないなり寿司は、山歩きの途中で小腹が空いたときにも、重宝な存在になりそう。これから山々の新緑がまぶしい季節を迎える鎌倉。自然の風を感じながら、あるいは鎌倉の旅の思い出として、ご当地の「駅弁」を楽しみたいものです。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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