北朝鮮による拉致問題で日本政府が踏み込めない「いくつかのこと」

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ジャーナリストの有本香が5月24日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。北朝鮮による日本人拉致問題について解説した。

【バイデン米大統領来日 拉致被害者家族会会見】バイデン米大統領との面会を終え、会見する拉致被害者家族の(左から)横田早紀江さん、横田拓也さん、横田哲也さん、飯塚耕一郎さん=2022年5月23日午後、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

北朝鮮による拉致被害者家族とバイデン大統領が面会

北朝鮮による拉致被害者家族は5月23日、来日中のアメリカのバイデン大統領と非公開で面会した。バイデン大統領は「私たちはいつも(解決を)祈っている。協力します」と述べ、拉致問題への理解を示した。

飯田)これまで歴代のブッシュジュニア、オバマ、トランプ各大統領がご家族と会ってきました。バイデン氏も今回、30分の面会をしたということです。

有本)面会は非公開で行われましたが、バイデン大統領は横田めぐみさんのお母様・早紀江さんが椅子に座っていらっしゃったところへ、跪くような形で話を聞き、ハグしたという情報が伝わってきています。めぐみさんの弟の拓也さんも涙ぐんでおられたそうです。

飯田)報道もされています。

有本)アメリカの大統領が来日されるたび、あるいはワシントンに赴くという形で、拉致被害者の方たちが訴えてきていますが、これが定例化していることが大きな問題だと思います。

飯田)アメリカ政府に訴えるということが。

有本)被害者は日本国民ですから、日本という国が取り返さなければいけないわけです。それなのにアメリカの大統領にお願いして、アメリカ頼みになっている。それでもまったく前に進まないという状況を、私たちは深刻に受け止めなければいけないと思います。これは誰の家族に起きても不思議ではなかった出来事なのです。

拉致の疑いが排除できない特定失踪者が約900人

有本)拉致被害者と認定されている方々については、政府の首脳もアメリカの大統領も会われる。一方で、それ以外に日本には、拉致の疑いが排除できない特定失踪者が約900人いらっしゃるのです。

飯田)特定失踪者の方が。

有本)国内で見つかった方もいらっしゃいますが、この約900人のなかには、脱北した北朝鮮の元工作員の詳細な証言もあり、「いつ拉致被害者に認定されてもおかしくないだろう」という状態のまま、20年近く過ぎている方もいらっしゃいます。

飯田)20年も。

有本)こういう人たちを合わせると、少なくとも数百人は向こうに連れ去られ、人生が台無しになった我々の同胞がいるということになります。それさえも年月が過ぎるとともに、日本人の意識のなかから薄れつつあります。国会議員や閣僚の発言でも、言動に疑問を抱かざるを得ないような場合があります。新潟で行われた講演において、林外務大臣の発言が取り沙汰されましたが、自国民が北朝鮮によって拉致されているのに、その国に対してコロナ対策の支援が必要だと。「放っておけるものではない」という言い方をされたようですが。

飯田)「国交がないからといって放っておけるものではない」という旨の発言があったようです。

有本)人類愛的な観点に立つのもいいのですが、日本の外務大臣ですからね。日本国民の痛みを最も重大に受け止めて、言葉も選んでいただきたいです。

「日本国内でできる制裁をやっていない」と言われても、そこに踏み込めない日本の政治家

飯田)現在、北朝鮮で新型コロナ感染がまん延しているという話ですが、確かにそれはそれで、北朝鮮の国民に関する人道的な問題はあるかも知れません。しかし、その前に拉致問題は、まさに人道を踏みにじっている行為です。

有本)大変な犯罪ですからね。

飯田)しかも50年以上にわたる問題です。

有本)アメリカ当局の人たちからも、「日本国内でできる制裁をやっていないではないか」ということを、日本の政治家は何度も言われているのです。しかし、そこに踏み込めない。朝鮮総連に関する対応もいままで通り変わらない。

飯田)朝鮮総連への対応も。

有本)それから日本国内では、拉致の実行に関わった個人、団体があるわけです。時効という問題もあるのだとは思いますが、時効であるならなおのこと、その情報は公開すべきではないでしょうか。

小泉訪朝から20年 ~再び国民の意識を喚起し直すべき

有本)そうすることで、新たに情報が入ってくる場合もあるでしょうし、国民の意識をもう一度、喚起し直す必要があると思います。小泉訪朝から20年経つのですから。

飯田)あのとき一旦返すという約束があった、なかったという話がありますが、世論が相当盛り上がった時期でしたね。「ここで返すなんてどういうことだ!?」と。

有本)せっかくお帰りになった方々を、もう一度北朝鮮に返すなんてとんでもないという世論が盛り上がったからこそ、そうならずに済んだわけです。

飯田)それを北朝鮮は見ていたし、感じていたはずです。

有本)北朝鮮側もその後、日本の世論を見ているのです。

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