神戸の駅弁屋さんの“朝専用”駅弁! 隠れているその遊び心とは?
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「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
1年で最も昼の時間が長いこの時期は、早起きしてお出かけするのが楽しい季節です。でも、出がけに朝食を準備するのはちょっと面倒という方も多いはず。ならば、「駅弁」で朝食を取りながら、移動時間に充てるのはどうでしょうか。じつは、都市部の駅弁屋さんを中心に、“朝食向け”の駅弁が製造・販売されています。今回は、「駅弁de朝食を!」と題して、3回シリーズで「朝食駅弁」を特集してまいります。
駅弁de朝食を!(第1回/全3回)
鳥取から朝一番の「スーパーはくと」が、山陽本線を上って、神戸市内に入って来ました。「スーパーはくと」は、山陽新幹線と接続する姫路で先を急ぐ乗客は乗り換えますので、あとは、京阪神へ乗り換えなしで行きたい方と、通勤ライナー的な利用者が多めの車内。コロナ禍以降は、定期券などと併用可能なチケットレス特急券も販売されており、“混雑”や“密”の回避にも、特急列車が役立てられているようです。
京阪神を代表する朝食駅弁と言えば、神戸を拠点に駅弁を手掛ける淡路屋が製造する「日本の朝食弁当」(550円)がおなじみです。白地に日の丸が浮かぶ「これぞニッポン!」と言ってもいいパッケージが目を引きます。紙蓋の裏面には、富士山と日の出の絵とともに「おはようございます 今日も元気で行ってらっしゃい」と記されていて、まさに“朝専用”の駅弁と言ってもいい存在です。
【おしながき】
・おにぎり(ごま、梅干し)
・焼き鮭
・かまぼこ
・玉子焼き
・鶏肉煮
・枝豆入りひじき煮
・昆布巻き
・味付海苔
“弁当の基本”がギュッと詰まった構成の「日本の朝食弁当」。おにぎりはごまと梅干し。焼き鮭、かまぼこ、玉子焼きと、幕の内弁当の「三種の神器」もしっかり押さえています。これに鶏肉や煮物といったおかずや駅弁では珍しい味付海苔が加わって、“朝食らしさ”を演出。しかも完食すると、底には印刷されたユニークな“頭の体操”が現れ、ちょっとした遊び心も感じられる、淡路屋らしいユニークな朝食駅弁となっています。
朝夕、新大阪~姫路間で運行される通勤向けの特急「らくラクはりま」。普段は、阪和線、紀勢本線で活躍する「くろしお」の車両が、東海道・山陽本線でちょっぴりゆったりとした通勤時間を提供しています。この車内なら、朝ごはんもしっかりといただくことができそう。次回は、関東の「朝食駅弁」に注目してまいります。
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連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/