「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
全国に新幹線網が広がり、さまざまな形の新幹線車両が走っています。なかでも、登場から25年を経たいまも人気が高いのが、JR西日本の山陽新幹線を走る500系新幹線電車。かつては「のぞみ」として東京にも顔を出していましたので、全国にファンが多い車両です。その500系新幹線をモチーフとした陶器製容器の駅弁が、山陽新幹線岡山開業50周年記念で、神戸駅弁の淡路屋から販売されています。
山陽新幹線(新大阪~博多間)で、いまも「こだま」として活躍する500系新幹線電車。まるで航空機のような先頭車両は、世代を超えて人気を集めています。500系は、平成9(1997)年のデビューですので、早いもので今年(2022年)、登場から25年を迎えました。一時期に比べますと、その数はだいぶ少なくなっていますが、日本の新幹線として初めて、時速300kmの営業運転を実現したその功績は、色あせることがありません。
500系新幹線電車は、平成9(1997)年11月末から平成22(2010)年2月末まで、16両編成の「のぞみ」号として、東海道新幹線に直通、東京駅まで乗り入れていました。最盛期は、概ね2時間おきに東京駅に顔を出しており、朝一番の「のぞみ1号」などで、東京~博多間を4時間49分で走破していたものです。たぶん21世紀生まれの世代にとっては、500系が東京まで来ていたのも、遠い昔のことに感じるかも知れませんね。
JR西日本が所有し、いまも山陽新幹線で活躍する500系新幹線電車を、“最も山陽新幹線らしい車両”と位置付けて、今年(2022年)3月の山陽新幹線岡山開業50周年に合わせ、新作駅弁を発売したのが神戸駅弁の「淡路屋」です。その名も、「山陽新幹線岡山開業50周年記念 500系新幹線弁当」(1500円)。長年、500系を模した陶器製の弁当を販売してきましたが、今回はその特別版を開発したと言います。
【おしながき】
・味付けご飯
・すき焼き(牛肉煮、糸こんにゃく煮)
・蛸煮
・炙り穴子煮
・牡蠣煮 人参煮 茹でいんげん
・焼き鰆
500系新幹線の形をした陶器製容器には、味ご飯の上に山陽新幹線(新大阪~岡山間)沿線の名物料理がぎっしりと載っています。新神戸の「すきやき」に始まり、西明石は「たこ」、姫路は「炙り穴子煮」、相生の「牡蠣」に、岡山はおなじみ「鰆(さわら)」と、いただくだけで50周年を迎えた区間を旅しているような気分になれます。なお、50周年の記念ロゴシールも封入。新神戸をはじめ、淡路屋のお店、京阪神主要駅でも販売があります。
500系が充当される山陽新幹線の「こだま」は各駅に停まり、しかも、「のぞみ」「みずほ」などの通過待ちなどを行う駅では、10分以上停車する列車も少なくありません。その分、日本旅行の「バリ得こだま」をはじめとした、乗車前日までwebで購入することができる格安の旅行商品も多く存在しています。いまや山陽新幹線の“最古参”となった500系の旅をお得に楽しみたいものです。
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連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/