開業50周年! 新神戸駅の駅弁を美味しさ50%マシマシでいただく方法

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。

新神戸駅開業50周年記念弁当

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鉄道150年の令和4(2022)年。全国各地の新幹線も、さまざまな形で注目を集めています。西日本エリアを走る山陽新幹線は、3月に新大阪~岡山間が開業してから「50周年」を迎えました。なかでも、途中に新幹線単独駅(開業当初)として設けられた新神戸駅も、開業から50周年を迎えたことで、いま、新神戸駅限定の記念駅弁も販売されています。今回は、新神戸の駅弁をより美味しくいただく方法と合わせてご紹介しましょう。

N700S新幹線電車「のぞみ」、山陽新幹線・新大阪~新神戸間

N700S新幹線電車「のぞみ」、山陽新幹線・新大阪~新神戸間

今年(2022年)3月で開業50周年を迎えた山陽新幹線(新大阪~岡山間)。「ひかりは西へ」のキャッチフレーズで誕生しましたが、いまは「のぞみ」「ひかり」「こだま」に加えて、九州新幹線直通の「みずほ」「さくら」も走り、多彩な車両が魅力的な新幹線となりました。「のぞみ」が吸い込まれていくのは、最難関工事だった1万6250メートルの「六甲トンネル」。兵庫県西宮市内の山陽新幹線記念公園には、犠牲となられた方の慰霊碑もあります。

新神戸駅

新神戸駅

この六甲トンネルを抜けた先にあるのが、最初の停車駅「新神戸駅」。六甲山地を貫く、トンネルとトンネルの間にある駅として有名です。当初は通過列車も多く存在しましたが、いまでは、山陽新幹線を走る全ての列車が停まる駅に成長しました。神戸の中心市街・三宮へは神戸市営地下鉄で2分。令和2(2020)年からは、北神急行線が市営化され、谷上・神戸電鉄線経由で有馬温泉方面へも、かなりおトクに行けるようになりました。

布引の滝遊歩道

布引の滝遊歩道

さて、新神戸駅に下り立つと、駅構内に「布引の滝」と書かれた案内板をよく見かけます。「布引(ぬのびき)の滝」は、生田川にある、雄滝(おんたき)・雌滝(めんたき)・夫婦滝(めおとだき)・鼓ヶ滝(つつみがだき)の4つの滝の総称。駅の1階から駅舎の下をくぐる形で北側へ出ると遊歩道が整備されていて、気軽に行けるのが「雌滝」。「雄滝」へは急傾斜の階段を上って10分ほどかかります。

(参考)兵庫県公式観光サイトほか

布引の滝(雄滝)

布引の滝(雄滝)

野鳥の声を聴きながら、急な上り坂を歩き続けること約10分。額にうっすらと汗を感じてきたころ、目の前にパッと開けるのが、高さ43メートルの「雄滝」です。これはじつに気持ちいい! 滝の前にはベンチもあって、自然の風に癒されます。ビジネスで新神戸を訪れた方でも、新幹線まで30分~1時間ほど余裕を見ておけば、待ち時間で心地よいウォーキング。神戸の街でたくさん美味しいものを食べても、この運動で駅弁分のお腹を空けられますね。

新神戸駅開業50周年記念弁当

新神戸駅開業50周年記念弁当

いま、新神戸駅で駅弁をいただくなら、神戸を拠点に京阪神の駅弁を製造する淡路屋の「新神戸駅開業50周年記念弁当」(1800円)。淡路屋の新神戸駅売店が誕生してからも50年を迎えました。新幹線と西日本エリアを想起させる青色のスリーブ式パッケージには、山陽新幹線岡山開業50周年の記念マークが入り、大きく書かれた「新神戸」の文字は、駅名標を感じさせます。淡路屋の新神戸駅売店(改札外)限定での販売です。

新神戸駅開業50周年記念弁当

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【おしながき】
(一の重)
・祝いのちらし寿司(酢飯、おぼろ、錦糸玉子、えび煮、椎茸煮、きぬさや、れんこん酢漬け、ガリ)
(二の重)
・すきやき(牛肉、糸こんにゃく、豆腐、ねぎ)……すきやき弁当から
・焼鮭、玉子焼き、鶏肉煮、いかなごの釘煮……六甲山縦走弁当から
・たこ煮、揚げかまぼこ、菜の花醤油煮、人参煮……ひっぱりだこ飯から
・焼売、えびチリソース和え、焼きビーフン……神戸中華焼売弁当から

新神戸駅開業50周年記念弁当

新神戸駅開業50周年記念弁当

スリーブ式パッケージの下から顔をのぞかせたのは、オリジナルデザインの二段重容器。一の重は開業50年を祝ってちらし寿司が一面に広がります。そして二の重には、淡路屋が誇る人気駅弁(すきやき弁当・六甲山縦走弁当・ひっぱりだこ飯・神戸中華焼売弁当)の4つのおかずが盛り付けられていました。メニューが豊富な神戸駅弁だけに、迷ったら人気駅弁を少しずつ食べられるのが嬉しいもの。重箱も記念の一品になりますね。

N700S新幹線電車「のぞみ」、山陽新幹線・西明石~姫路間

N700S新幹線電車「のぞみ」、山陽新幹線・西明石~姫路間

自然豊かな六甲山地の間に新駅が設けられたことで、在来線併設駅とはひと味違った魅力を生み出すことになった「新神戸駅」。布引の滝までの軽いウォーキングを楽しんで、しっかりお腹を空かせて駅弁をいただけば、アイデア豊かな神戸の駅弁を、“50周年”に美味しさ“50%増し”で食べられること、まず間違いありません。木々の緑がまぶしい時期、駅弁と自然に身も心も満たされる旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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