「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
「昆布」は出汁やごはんのお供など、和食には欠かせない存在です。その消費量で長年、全国のトップクラスを走り続けているのが富山市。昆布は「富山県民のソウルフード」とも云われているのだそうです。そんな富山の黒とろろ昆布をメインにした駅弁が、3年前から富山駅で販売されています。その優しい味わいが好評を博しているというとろろ昆布駅弁。いったい、どんな味わいなのでしょうか?
名古屋~高山・富山間を結ぶ特急「ひだ」号。高山~富山間は、3~4両の短い編成で運行されています。今年(2022年)12月からは、富山発着の「ひだ3・14号」にも新しいハイブリッド式のHC85系車両が投入されることが発表されました。グリーン席の連結はないそうですが、首都圏エリアから飛騨・高山へは、北陸新幹線と「ひだ」の乗り継ぎも、1つのルート。東海道新幹線と組み合わせて、ぐるっと一周するのも楽しいことでしょう。
富山駅の乗り換え中に、富山駅弁「源」の売店をのぞいてみると、少し素朴な雰囲気の駅弁が気になって手に取りました。その名も「健康黒とろろ昆布弁当」(700円)と言います。源によると、令和元(2019)年11月に発売。一時、販売を休止した時期もありましたが、現在は通年販売の弁当として、毎日店頭に並んでいると言います。とろろ昆布がメインの駅弁は唯一無二の存在。早速いただいてみることにいたしましょう。
【おしながき】
・とろろ昆布ご飯 梅干し
・鶏の照り焼き
・赤巻蒲鉾
・厚焼き玉子
・おくらのお浸し
・煮物(玉こんにゃく、がんもどき)
富山県民のソウルフード「とろろ昆布」が、富山県産米のご飯にたっぷり敷き詰められた「健康黒とろろ昆布弁当」。栄養豊富で健康の維持にもいいとされるとろろ昆布だけに、“健康”の2文字が光ります。源によると、「頑張る皆さまの体を整え、一日の活力を生み出すお弁当をお届けしたい」という思いで開発したのこと。とろろ昆布とご飯のバランスがちょうどよく、これは箸が進みます。思わずリピートしたくなる逸品です。
富山らしい赤巻き蒲鉾に玉子焼きなど、駅弁の定番も入った「健康黒とろろ昆布弁当」。1食当たり432kcalでまとめているのは見事です。富山駅から北陸新幹線「かがやき」に乗ってしまえば、東京までは2時間ちょっとの旅。新幹線ですっかり短くなった移動時間にピッタリな小腹を満たしてくれる“小箱”サイズの駅弁は重宝しそう。シンプルで優しい味が北陸の旅に潤いを与えてくれそうです。
この記事の画像(全6枚)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/