1923年の関東大震災と「握りずし」の意外な関係
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あなたの朝がいつもイイ朝でありますように---ニッポン放送『羽田美智子のいってらっしゃい』。11月2日放送分のテーマは「寿司の豆知識」です。
寿司の始まりとされる「熟鮓(なれずし)」は、魚とごはんを漬け込んだ発酵食品で、現在も奈良や和歌山などで郷土料理として伝えられています。滋賀県の琵琶湖で獲れる鮒を使った「鮒寿し」も、その1つです。
江戸時代中期になると、米でつくられた酢を使い、酢飯と魚を重ね、押してつくる寿司が登場します。発酵させる必要がないので「早寿司」と呼ばれました。「押しずし」も、この「早寿司」の1つです。
江戸時代後半になると、手で握った酢飯に江戸の海で獲れた新鮮な魚介類をそのまま載せた「握りずし」が登場します。江戸の海の魚介類を使うので「江戸前ずし」と呼ばれました。当時の「握りずし」は、酢飯(シャリ)がおむすびのように大きかったそうです。
その後、時代とともにシャリの大きさは、現在のように一口サイズになっていきました。
もともと江戸の郷土料理だった「握りずし」が、現在のように全国に広まったきっかけの1つとして、1923年(大正12年)の関東大震災があります。この地震で東京を始め、首都圏は大変な被害に遭いましたが、これを機に東京を離れてふるさとへ帰った方が多かったそうです。
そのなかには、東京で寿司職人をされていた方もたくさんいました。そういった方々がふるさとで「握りずし」を始めたことで、各地へ広まったと言われています。
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