寒くても話題がホットな山形新幹線! 「牛肉どまん中」の新たな取り組みとは?

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。

牛肉どまん中(カレー)

画像を見る(全8枚) 牛肉どまん中(カレー)

昨年(2022年)、開業30年を迎えた山形新幹線(福島~山形間)。新型車両の投入も予定され、何かと話題を呼んでいます。新幹線開業を記念して誕生した米沢の名物駅弁「牛肉どまん中」も30周年を迎え、定番の醤油に加え、しお・みそ・カレーなどさまざまな味が登場。バリエーションを増やしながら、ロングセラー駅弁への道を歩んでいます。今回は、山形新幹線のホットな話題とともに、「牛肉どまん中」の新たな取り組みに注目しました。

E3系新幹線電車「つばさ」、奥羽本線・庭坂~板谷間

E3系新幹線電車「つばさ」、奥羽本線・庭坂~板谷間

福島駅で東北新幹線から分かれて、奥羽本線に入ってきた山形新幹線「つばさ」号が、福島・山形県境にそびえる冬の板谷峠に挑みます。福島では雪の量は多くありませんが、峠を登っていくほど車窓が雪深く変わっていくのが冬の「つばさ」の楽しみです。スマホやパソコンの画面を見るのもいいですが、近々、新型車両の試運転も始まるなか、この車両でいまだけの雪景色をしっかり記憶に焼き付けておくのも、旅の醍醐味ですよね。

3年ぶりに復活した米沢・小野川温泉の「かまくら村」

3年ぶりに復活した米沢・小野川温泉の「かまくら村」

峠を越えた先の山形・米沢は、米沢八湯とも云われる温泉のまちです。米沢駅前から、山交バスで約25分の小野川温泉は、徒歩散策が楽しめる温泉街に、いくつものお宿が建ち並んでいます。この冬は3年ぶりに「かまくら村」が復活しました。直径5m、高さ3mの巨大かまくらが3基作られていて、温泉街にある2つの飲食店から米沢ラーメンなどの出前を頼むことができます(利用時には飲食代金の他、協力金500円が必要です)。

牛肉どまん中(カレー)

牛肉どまん中(カレー)

米沢の温泉宿に泊まったら、やっぱり米沢の駅弁をいただかずに、帰ることはできません。車内販売では弁当の取り扱いがない現状、米沢駅から乗車するメリットは、何といっても、「出来立ての駅弁」を買って乗車できることです。今回、米沢駅前にある新杵屋の売店に立ち寄って注目したのは、名物駅弁「牛肉どまん中」(1350円)のカレー味! 登場から7年あまりを経て、昨年(2022年)にリニューアルされました。

牛肉どまん中(カレー)

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【おしながき】
・ご飯(山形県産どまんなか)
・牛肉煮 パセリ ごま
・牛そぼろ煮
・玉子焼き
・蒲鉾
・里芋煮
・人参煮
・にしん昆布巻き
・桜漬け大根

牛肉どまん中(カレー)

牛肉どまん中(カレー)

ふたを開けるとフワッと漂うスパイシーな香りに食欲がそそられます。早速、口に運べば、牛肉の旨みも引き出され、どまんなかのご飯とのバランスが心地いいですね。列車内で開けても、他のお客さんが気にならない香りに仕上げてくるところが駅弁屋さんの技。醤油やしお、みそと比べ弁当の構成が若干異なり、「牛肉どまん中」シリーズのなかでも、特異な存在だったカレー味ですが、定番のおかずもしっかりいただけるようになりました。

台湾のセブンイレブンで販売されている、新杵屋監修の「牛肉どまん中」(画像提供:新杵屋)

台湾のセブンイレブンで販売されている、新杵屋監修の「牛肉どまん中」(画像提供:新杵屋)

日本国内では高い人気を誇る「牛肉どまん中」ですが、新杵屋によると、2022年秋から台湾のセブンイレブンとのコラボレーションをスタートさせたそう。新杵屋が監修する形で、秘伝のたれを台湾風にアレンジした上で、パッケージデザインはそのままに定番の弁当に加えて、うどん・おにぎりなどの展開も行っていると言います。日本の駅弁数社が台湾に進出しているなかで、また違った形のアプローチが、とても興味深いところです。

E3系新幹線電車「つばさ」、奥羽本線・かみのやま温泉駅(2012年撮影)

E3系新幹線電車「つばさ」、奥羽本線・かみのやま温泉駅(2012年撮影)

興味深い取り組みと言えば、山形新幹線で活躍中のE3系新幹線電車1編成が、約6年半ぶりに「シルバーカラー」に復刻されることが発表されました。2月11日(土曜日)の、上り列車「つばさ138号」(山形10:57発)から登場予定とのこと。まだまだ寒さが厳しい時期ではありますが、ホットな話題が多い山形新幹線沿線。雪がしんしんと降るなか、山形の美味しいものを食べ、温泉でのんびり温まる旅で、癒されてみてはいかがでしょうか。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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