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子どもが恐竜と一緒に走る「モーニングラン」 ~なぜ「恐竜」に着目したのか?

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それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。

子どもが恐竜と一緒に走る「モーニングラン」 ~なぜ「恐竜」に着目したのか?

恐竜のコスチュームを着る山本知永さん

鎌倉と葉山の間にある、神奈川県逗子市。海と山に囲まれたこの地で生まれ育った山本知永さん(45歳)は、小さいころから野山を走り回っていたそうです。小学6年生のときには、授業の持久走で1位に。「嬉しくて自信にもなった」と言います。

外資系コンサルティング会社に勤めている現在も、ランニングを日課として、年間4000キロ走っているそうです。フルマラソンでは3時間を切るサブスリーを達成。地元・逗子の駅伝チーム「Beyond Zushi」の監督もされています。

2人の子どもの父親でもある山本さんですが、コロナ禍であらゆるものに規制が入り、運動会は午前中のみの開催に。「リレー競争」は行われず、盛り上がりに欠けたまま終了してしまいました。

子どもが恐竜と一緒に走る「モーニングラン」 ~なぜ「恐竜」に着目したのか?

年間4000キロを走る山本知永さん

「このままだと、子どもたちは『走ることの楽しさ』を知らずに大きくなってしまうのではないか? 走ることは足腰を強くするだけでなく、脳を活性化させ、勉強にもいい刺激になる。どうにか子どもたちを走らせたい……」

そんなある日、山本さんは「小学6年生のころに校庭を5周走るとシールをもらえて、毎日楽しみに走っていたな」と思い出します。校庭を走るだけのイベントを始めようと、山本さんの母校であり、長男が通う逗子市立久木小学校に提案しますが、簡単ではありませんでした。

1つ目は「先生が忙しくて空いた時間がない」。2つ目は「転んでケガをした場合、どのように対処するのか」。そして3つ目は、「コロナ禍に集合型のイベントは難しい」という問題がありました。

子どもが恐竜と一緒に走る「モーニングラン」 ~なぜ「恐竜」に着目したのか?

恐竜が現れて驚く子どもたち

1つ目・2つ目の問題に関しては、先生に迷惑をかけず、山本さんを中心にPTAの「お父さんクラブ」が主催する。ケガをしたときは救急キットを常に携帯して対処する……という方向で、どうにか解決しました。しかし、3つ目の「コロナ禍の集合型イベント」については、あれこれ提案しても「ダメです」「難しいです」「無理です」と、ことごとく話が進みません。

山本さんは何度も挫けそうになりましたが、諦めませんでした。

「大人が諦めたらおしまいなので、とにかく子どもたちの笑顔を見るために、1つずつ問題をクリアしていきました」

子どもが恐竜と一緒に走る「モーニングラン」 ~なぜ「恐竜」に着目したのか?

恐竜と一緒に走る子どもたち

逗子市立久木小学校の校庭で「モーニングラン」が始まったのは、山本さんが企画を提案してから半年後、去年(2022年)11月15日のことでした。

「モーニングラン」が行われるのは、火曜・木曜の週2回。小学校の正門が開くのが8時で、授業が始まるのが8時15分。教室にランドセルを置いてから走るので、正味10分ほどです。久木小学校の生徒数は650人ほど。モーニングランに参加した子どもたちは、そのうち40人ほどでした。

「参加した証に、北海道から沖縄まで47回スタンプが押せる紙を、全生徒に配りました。『全部クリアすると何かがもらえる』のを楽しみに走る子もいるんですよ」

モーニングランが始まって2ヵ月後、困ったことが起こります。子どもたちの数が半分に減ってしまったのです。特に高学年は「寒いよ~」と走るのを嫌がります。あんなに苦労して始めたモーニングランに、子どもたちが集まらない……「いいアイデアはないか」と頭を悩ませていたとき、山本さんはひらめきます。

「そうだ、子どもたちが大好きな恐竜だ!」

子どもが恐竜と一緒に走る「モーニングラン」 ~なぜ「恐竜」に着目したのか?

モーニングランの参加証

アメリカ発祥で、最近だと日本でも話題の「ティラノサウルス・レース」があります。恐竜のコスチュームを着て走るレースなのですが、素材はポリエステル製で軽いため、内蔵ファンを回して膨らませると、2メートル近くの大きな恐竜の姿になります。

大きな頭を右へ左へ揺らしながら、恐竜になった山本さんが校庭に現れると、眠そうに登校していた子どもたちは「ティラノサウルスだ!」と目を丸くしました。

恐竜が一緒に走ってくれると知って、大喜びの子どもたちから、嬉しさのあまりパンチやキックが飛び出します。シッポを踏まれて恐竜が派手に転ぶと、子どもたちは大爆笑。朝の校庭に元気な笑い声が戻ってきました。

最初は健康のために走り始めたと言う山本さん。それがマラソンにハマり、記録を求めて駅伝チームに入り、高校生ランナーと競い合い……最近では駅伝監督になってチームの優勝を目指しています。

山本さんには大きな夢があります。それは、地元・逗子を「陸上の町」にすること。そのためにも「走ることは楽しいこと」だと、子どもたちに日々伝えています。

子どもが恐竜と一緒に走る「モーニングラン」 ~なぜ「恐竜」に着目したのか?

万能調味料「漢ダレ」

■万能調味料「漢ダレ」
https://otokodare.thebase.in/

※山本さんがコンサルティング業の傍ら、副業として製造販売する万能調味料。

■「海鮮食堂 満天」(「漢ダレ」を扱う店舗)
https://tabelog.com/kanagawa/A1406/A140602/14003965/

番組情報

上柳昌彦 あさぼらけ

月曜 5:00-6:00 火-金曜 4:30-6:00

番組HP

眠い朝、辛い朝、元気な朝、、、、それぞれの気持ちをもって朝を迎える皆さん一人一人に その日一日を10%前向きになってもらえるように心がけているトークラジオ

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