伯備線で国鉄三昧&岡山駅弁で肉三昧!
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「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
いまも国鉄生まれの車両が多く活躍する岡山地区。なかでも伯備線は、国鉄特急色の特急「やくも」や、湘南色の普通列車など、さまざまなカラーリングの車両に出逢える機会があります。そんないまだけの郷愁を憶える“国鉄三昧”な風景を眺めながら、岡山が誇る“肉三昧”な駅弁を選んでみました。
岡山と鳥取・米子を結んでいる伯備線。いま、伯備線いちばんの人気者といえば、国鉄色がリバイバルされた「やくも」号でしょうか。クリーム色の車体に赤いラインが入ったこのカラーリングは、昭和33(1958)年11月から、東海道本線・東京~大阪間で運行された特急「こだま」の車両が最初と云われます。国鉄時代は、特急列車といえばこのカラーでした。側面に光る「JNRマーク」も郷愁を誘います。
(参考)JR西日本ニュースリリース・2022年12月14日
特急「やくも」が走る伯備線にはときどき、オレンジと緑のカラーリングが施された普通列車もやって来ます。こちらも、国鉄時代は全国各地で当たり前のように見られたカラーリング。昭和25(1950)年3月から、東海道本線・東京~沼津間で運行されるようになった通称“湘南電車”のカラーということで、いまも“湘南色”と呼ばれています。岡山周辺では平成29(2017)年以降も3両×2編成が湘南色のままで活躍しており、こちらも人気です。
(参考)JR西日本ニュースリリース・2017年4月17日
懐かしさを覚える国鉄時代ではありますが、JRになってからは、地域の差はあるものの、便利になった点も多くあります。車両の冷房化が進んで快適になったり、丁寧に保線が行われるようになり、在来線の乗り心地がよくなった会社もあります。駅弁もまた、駅弁業者の努力によって、さまざまな新商品が登場するようになりました。岡山・三好野本店の「和牛カルビ、煮豚カツと直火やきとりの弁当」(1480円)は、3つの肉が味わえる駅弁です。
【おしながき】
・白飯
・味飯
・国産黒毛和牛のカルビ焼肉 そぼろ ねぎ 韓国のり
・岡山県産「おかやま甘豚」の煮豚カツ 錦糸玉子 パセリ
・岡山県産「あっぱれ鶏」の直火やきとり 紅生姜
牛・豚・鶏の3種類の肉が一度に味わえる駅弁です。白飯の上に国産黒毛和牛のカルビ焼肉、岡山県産「おかやま甘豚」の煮豚カツ、そして、味飯の上に直火で焼き上げた岡山県産「あっぱれ鶏」のやきとりが載っていて肉好きにはたまらない贅沢さです。このうち、豚や鶏の料理は単独駅弁としても販売されているので、まずはお試し感覚でこの駅弁をチョイスして、お気に入りの味わいを見つけるのも一手。私はやきとりが気に入りました。
国鉄特急色の特急「やくも」や湘南色の普通列車が走る伯備線ですが、山陰を発着する貨物列車が運行されている路線でもあります。コンテナ貨車を牽引する電気機関車にも、国鉄生まれのカラーリングで活躍している車両があります。車両の世代交代の時期は、スグそこまで来ていますが、沿線を訪れるのなら、地元の皆さんの日常生活に寄り添って、心温まる中国山地ののどかな鉄道風景を記録、記憶に残したいものです。
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連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/