作り手の自信溢れる、広島・三原の”特選”あなご駅弁とは?

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。

特選あなご重

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「特選」という言葉には、「特に優れたものを選び出すこと、選び出したもの」という意味があるそうです。駅弁のネーミングにも、“特選”という文字が入った駅弁は数多くあります。もちろん、令和生まれの新作駅弁にも「特選」と銘打たれたあなご駅弁があります。その作り手の皆さんの自信の背景を探りました。

キロ47形気動車・快速「etSETOra」、呉線・須波~安芸幸崎間

キロ47形気動車・快速「etSETOra」、呉線・須波~安芸幸崎間

広島エリアを代表する観光列車「etSETOra(エトセトラ)」。この列車は、令和2(2020)年から、週末を中心に広島~尾道間を呉線経由で運行されている、全車指定グリーン席の快速列車です。とくに午後、尾道発広島行として運行される下り列車は、バーカウンターの営業があり、酒どころ・広島ならではのカクテルや日本酒など、さまざまなお酒を楽しめる大人の観光列車でもあります。

特選あなご重

特選あなご重

“大人の旅”なら、旅で味わう食事の質にもこだわりたいもの。三原・糸崎を拠点に広島・備後地方の駅弁を製造・販売する「浜吉」こだわりの駅弁といえば、「特選あなご重」(2100円)。この駅弁は全国の「ファベックス惣菜・べんとうグランプリ2022」の駅弁・空弁部門で、特に優れた弁当に与えられる「金賞」を受賞しました。掛け紙には“天然活き〆煮穴子”の文字が躍ります。通常は予約制(電話:0848-62-2121)で販売されています。

特選あなご重

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【おしながき】
・味付けご飯
・煮穴子
・奈良漬け
・ガリ

特選あなご重

特選あなご重

ふたを開けると一面の煮穴子が姿を現しました。従来の煮穴子の駅弁と比べると、いく分、穴子の色合いが薄く感じますが、これは穴子の旨味を活かすために、薄味にしたのだそう。付添のたれをかけて箸を入れると、肉厚なのはもちろん、柔らかくてフワフワな食感に、“特選”ならではの上質さを感じます。煮穴子と味ご飯の付け合わせは奈良漬、ガリのみ。そのシンプルな構成にも、作り手の皆さんの“自信”を感じる駅弁です。

N700S新幹線電車「のぞみ」、山陽新幹線・東広島~三原間

N700S新幹線電車「のぞみ」、山陽新幹線・東広島~三原間

今年(2023年)春から東海道・山陽新幹線を直通する「のぞみ」号でも、概ね毎時1本程度の列車に充当されるようになったN700S新幹線電車。時刻表で予め発表されている列車の他にも運行されることがあります。N700Sの魅力といえば、全座席に付いている電源コンセントとビジネス利用者向けの「S work車両」。私自身もパソコン仕事をしながら、東京~広島間でS Work車両を利用しましたが、サクサク仕事が捗りました。仕事でも、美味しい駅弁と変わる景色と一緒に、有意義な移動時間を楽しみたいものです。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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