「心臓弁膜症」 進行した場合、人工弁に交換する必要がある

By -  公開:  更新:

東京都医師会理事で「河北総合病院」理事長補佐、心臓血管外科医の新井悟氏が6月27日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。心臓弁膜症とその治療法について語った。

「心臓弁膜症」 進行した場合、人工弁に交換する必要がある

※画像はイメージです

心臓弁膜症

飯田浩司アナウンサー)心臓血管外科の領域での手術件数は増えているようですが、具体的にはどんな病気が多いのでしょうか?

新井)中身を大きく分けると、心臓弁膜症。また、心臓の冠動脈で動脈硬化が進んだ結果起こる狭心症、心筋梗塞。あるいは不整脈という病気もあります。その他には、小児の先天性心疾患や、大血管だと大動脈瘤などがあります。

飯田)そのなかで、今回は心臓弁膜症について伺います。

新井)心臓には部屋が4つあり、それぞれの部屋の出口に弁がついています。その弁が開いたり閉じたりして、血液の逆流を防いでいるのですが、その弁の広がりが悪くなる、出口が狭くなる症状を「狭窄症」と言います。

飯田)狭窄症。

新井)弁がきちんと閉じず、血液が逆流してしまう状態が「閉鎖不全症」です。機能的には狭窄症と閉鎖不全症が一緒に起こることもあります。

病気が進行すると人工弁に取り換えなければならない ~「生体弁」を使う治療が80%

飯田)治療法はどういったものがありますか?

新井)心臓病には軽症、中等症、重症とありますが、最初のころは薬で心臓の機能を維持する、心不全を予防するような形で進みます。しかし病気が進んでくると、狭くなった弁を取り換える手術が必要になります。

飯田)弁を取り換えるということは、人工のものがあるのですか?

新井)人工弁を使って弁を取り換えます。いまは生体弁という動物の弁を使う治療が多くなっています。

飯田)生体弁。

新井)10年前は動物の弁を使う手術が30%でしたが、いまは8割を超えるくらいで使われています。

「心臓弁膜症」 進行した場合、人工弁に交換する必要がある

新井悟氏、飯田浩司アナウンサー

薬の服用は不要だが耐久性が低く、10年~20年で交換する必要がある「生体弁」

飯田)高いのですか?

新井)動物の弁には、豚からつくる生体弁と、牛からつくる生体弁の2種類あります。費用は公定価格で95万円です。

飯田)生体弁以外にもあるのですか?

新井)生体弁以外には金属でできた機械弁があります。それぞれ特徴がありますが、生体弁の場合には手術の直後を除いて、血栓を抑える薬を長期間飲む必要がありません。ただ、弁の耐久性は10年~20年なのです。

飯田)耐用年数がきてしまうと、また手術して変えなければいけないのですか?

新井)そうですね。急に悪くなることはありませんが、50代~60代の方が手術した場合、80代になって悪くなったら再手術という可能性もあります。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

番組HP

医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

Page top