特急「踊り子」が、湯の香と一緒に運ぶ、伊東の名物駅弁とは?

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。

いなり寿し(6個入)

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コロナ禍以降、新幹線や在来線特急を利用した「荷物の輸送サービス」が話題を呼んでいます。東京駅などの売店には、このサービスを活用した駅弁や土産物を見かけることが多くなりました。7月14日(金曜日)には首都圏と伊豆を結ぶ特急「踊り子」号を活用し、普段、東京ではお目にかかることができない駅弁が、東京駅と秋葉原駅にやって来ます。湯の香に包まれる伊東温泉で生まれた、根強いファンが多い名物駅弁です。

E257系電車・特急「踊り子」、東海道本線・根府川~早川間

E257系電車・特急「踊り子」、東海道本線・根府川~早川間

東京と伊豆を結ぶ特急「踊り子」号。伊豆・箱根の温泉旅の足として、なくてはならない存在です。このため東京発の下り列車は午前~昼ごろの発車が多く、多くの上り列車は昼過ぎから午後にかけて伊豆急下田や修善寺を発車し、東京には夕方ごろ到着します。そのなかにあって、伊豆急下田を朝10時過ぎに発車する「踊り子4号」は、特別な存在。午前半休にして温泉宿に泊まり、午後から東京に出勤することもできる重宝な列車です。

いなり寿し(6個入)

いなり寿し(6個入)

この「踊り子4号」の輸送サービスを活用して、7月14日の金曜日、伊東駅の名物駅弁「いなり寿し」(6個入・730円)が、東京駅・秋葉原駅の地産品ショップ「のもの」にやって来ます。この「いなり寿し」は、昭和21(1946)年に伊東温泉で生まれ、昭和34(1959)年から駅弁になった歴史あるもの。いただくと、お揚げの甘みがジュワッと広がって、酢飯の酸味と相まって絶妙な味わいを生み出します。

いなり寿し(6個入)

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【おしながき】
・いなり寿し(6個)
・ガリ

いなり寿し(3個入)・ぐり茶(ポリ茶瓶入り)

いなり寿し(3個入)・ぐり茶(ポリ茶瓶入り)

祇園によると、「踊り子4号」の輸送サービスで「いなり寿し」を運ぶのは、今回が初めて。6個入と3個入(380円)の2種類が、午後1時台ごろから「のもの」の店頭に並ぶのではないかということでした(「踊り子4号」は東京12:49着)。伊東駅弁は特別な催事をのぞいて、お目にかかる機会が少ない分、東京エリアの方には貴重な機会となりそうです。ちなみに、伊東駅の売場には、懐かしい“ポリ茶瓶”のお茶(ぐり茶)が、いまも健在です。

E257系電車・特急「踊り子」、伊豆急行線・片瀬白田~伊豆稲取間

E257系電車・特急「踊り子」、伊豆急行線・片瀬白田~伊豆稲取間

「踊り子」号が走る、JR伊東線・伊豆急行線は単線ですので、列車のすれ違いのため、長めに停まる駅があります。JRと伊豆急行の境界となる伊東では乗務員交代も行われ、4~5分停車する列車が多いもの。祇園の駅弁売店は駅舎に面した1番ホームにあり、改札内外から駅弁の購入が可能です。東京で地方の駅弁を買い求めたら、現地へ足を運ぶまでがワンセット。さっそく、青い海を目指して、夏の伊豆へ出かけてみませんか。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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