青森の郷土の味が詰まった新作駅弁に込められたコンセプトとは?
公開: 更新:
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
年末年始、帰省された方は、味わったに違いない「ふるさとの味」。出身者には懐かしくて、旅行者にとっては、新たな発見のある味です。その意味では、「駅弁」は郷土料理の宝庫。東北・北海道新幹線の新青森駅に登場した新作駅弁も、郷土の味がいっぱい詰まっています。
この年末年始をふるさとで過ごした皆さんが、新幹線に揺られて東京へ戻っていきます。駅の改札口では、年配の親御さんが子どもと孫たちを見送る風景がしばしば見られます。都会へ戻る皆さんのなかには、束の間の正月休み、久しぶりの“おふくろの味”に心を満たされた方も多いかも知れません。その地域ならではの郷土料理を味わうことで、改めて、自分の原点を見つめ直すこともできますね。
郷土料理がいっぱい詰まった駅弁もまた、ふるさとの味です。新青森駅弁・幸福の寿し本舗の「青森味紀行 イカとホタテと鶏めしの弁当」(1400円)は、掛け紙にも記されているように、“青森の郷土料理、特産を一度に味わえる”をコンセプトとして、令和5(2023)年秋から製造している新作駅弁です。日本鉄道構内営業会(中央会)による駅弁マーク制定35周年記念の駅弁の1つでもあります。
【おしながき】
・いかの寿司
・いがめんち
・青森県産ほたての照り焼き
・ほたて入り炊き込みご飯
・青森シャモロックスープの炊き込みご飯 鶏そぼろ 玉子そぼろ
・ほうれん草のおひたし
・にんじんのおひたし
パッケージを開けると、1つのマスには、ほたてのスープで炊き込んだご飯の上にほたての照り焼きやいがめんち、さらに下北半島の郷土料理で茹でたいかの胴体にゲソと塩漬けしたキャベツ、人参、生姜などの野菜を詰めて酢漬けにした「いかの寿司」も載っています。もう一方のマスには、青森県が20年をかけて開発した地鶏・青森シャモロックのスープで炊き込んだ鶏めしが盛り付けられています。もちろん、ご飯は青森県産米です。
奥羽本線の秋田~青森間を結んで、3往復が運行されている特急「つがる」号。今年(2024年)3月のダイヤ改正では、このうちの1往復が、途中の停車駅を東能代、鷹ノ巣、大館、大鰐温泉、弘前、新青森に絞り込み、所要時間を短縮した「スーパーつがる」号になることが発表されました。冬場、雪に不慣れな旅行者にとってはありがたい鉄道の存在。暖かい車内で、雪見しながらいただく駅弁もまた格別ですね。
この記事の画像(全6枚)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/