【久保裕丈さん】 経営は自己表現のひとつ。初代バチェラーの経歴を持つ起業家が考えるビジネスとは?

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ビジネスのトップシーンで活躍する方や、気になる時事問題を読み解くスペシャリストを迎えてお話を伺う番組、トップジャム。
本日のゲストは、株式会社CLAS(以下クラス)代表取締役の久保裕丈さんです。実業家であり、人気恋愛リアリティ番組『バチェラー・ジャパン』の初代バチェラーも務めていました。番組出演のきっかけから、現在の事業を立ち上げた理由、経営への熱い思いなどをたっぷり語ります。

【久保裕丈さん】 経営は自己表現のひとつ。初代バチェラーの経歴を持つ起業家が考えるビジネスとは?

福田:プロフィールご紹介しましょう。久保裕丈さんは東京大学大学院を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。その後、2017年に人気恋愛リアリティ番組「バチェラージャパンシーズン1」に初代バチェラーとして出演。2018年には家具と家電のレンタルサブスク「クラス」をスタートしています。
つばささんは、初対面でしょうか。

石塚:初対面です。クラスさんの噂はベンチャー界隈でもすごく聞くんですけど、ご本人とは初めてです。

福田:ではいろいろ聞いていきましょう。まずは外資系コンサル会社に入社されたというキャリアの始まりですよね。

久保:そうですね。大学が理系の学生で、そのまま大学院に行って研究者になるのかななんて思ってたんですけど、研究者になるにしても経営のこととか知らないと駄目なのかな、なんてふと思って。それくらいのライトな気持ちで深く考えずにコンサル会社に入ったっていう。

石塚:そこからバチェラー・ジャパン(以下バチェラー)に出た経緯ってどんな感じなんですか。オファーが来るんですか。

久保:社会人になって5年ぐらい仕事をさせてもらっていました。経営のコンサル会社って、よその会社の経営に口出しをするみたいな仕事なので、そのうちに自分で会社を経営したいなと思うようになって。最初に「ミューズコー」っていうアパレルの通販を立ち上げました。これは売却をする形でその後は引き継いで、会社を離れることになりました。ちょうどそのタイミングで、たまたまお声がけをいただいたっていうのがきっかけです。

石塚:出演することに抵抗とかなかったですか。

久保:声をかけてくれた人が1回だけ合った広告代理店の男性で、SNSでメッセージが来て今度話をぜひ聞いてもらいたいっていうふうに言われて。渋谷の渋〜い喫茶店で見せてもらったのが『バチェラー・アメリカ』の映像。こういうのを今度日本でもやりたいから第1号として出てほしいって言われて。最初は抵抗感があったんですけど、それはあくまでもアメリカのやり方だから日本でやるときは僕の自由にしていいって言ってもらったので。それで話が進んだっていう。

【久保裕丈さん】 経営は自己表現のひとつ。初代バチェラーの経歴を持つ起業家が考えるビジネスとは?

石塚:クラスはバチェラーの時点で立ち上げられてたんですか、バチェラー終了してからですか。

久保:バチェラーに出てたいときは、起業するかどうかも決めていませんでしたね。

石塚:売却された後で起業家が憧れるような人生上がった状態だったのに、もう一度またスタートアップをやって、資金調達をしてしんどい思いをしてって普通思わなくないですか。

久保:売却して会社を離れたばっかりのときは起業への思いはなかったんですけど、バチェラーに出てみてかな。ああいう番組に出させていただくと、芸能をやってる方とかアーティストとか出会う機会があるわけですよね。やっぱりそういった表現をしてる人って輝いてるしかっこいいなって思うわけですよ。でも自分にその才能がないことに改めて気づいたんですよね。

自分が自己表現できることを考えたときに、唯一、起業とか経営しかないなと。結局、僕が人生かけてできることって起業家とか経営者としてやっていくしかないんだなって腹をくくったっていうのがきっかけです。

石塚:やってくしかないんだなっておっしゃってるんですが、クラスは20億円ぐらい調達してるんですよ。

久保:クラスを立ち上げた話を先にしちゃうと、そのサービスを自分が欲しかったから、っていうだけです。

それまで、そういうサービスを探してみても自分が理想とする形のものはなかったので、作ってみようと。ではフィージビリティスタディとかって言いますけど、始める前に事業性の検証や市場調査をやるんですね。事業計画を立てたときにひとつわかったのが、ある程度利益が出るところまで50億円ぐらいは投資しなきゃ駄目だというのが見えて。これどうしようと思ったんですけど、やっぱり憂鬱な方を選ぼうっていう。

福田:サービスを利用させていただいたことがあるんです。家電って一定期間使わないとわからなかったり、他のものと比べたかったりしますし。家財もペットで汚れてもまた返して新しいものに変えることができるし、引っ越しが多い方なら部屋に合わせて家具を買い換える作業が、レンタルだったらすごく簡単にできるみたいなところがとても便利で。それを思いつくのがすごいなと、使いながら思ってました。

久保:ありがとうございます。いちばん自由なサービスを作りたいなと思っています。うちってサブスクとかレンタルって表現してるんですけど、実はまだ自分たち自身が、どういうふうに自分たちのサービスをひと言で表せばいいのかまだ見つかってないんです。ていうのは、うちのサービスって、モノを買うとか所有するっていうことも実は否定してないんですよ。使ってみて気に入ったりずっと使い続けたいってなれば、実はそのまま買っちゃうこともできるし。一定期間使って返すこともできますが、期間も縛りもなく、レンタルとかリースとかサブスクのいいとこ取りをしたいなと。そうやって作っているサービスなので、世の中の人たちには耐久財との自由な付き合い方を提供していきたいなと思ってます。

石塚:いわゆるtoCと言われる個人と、toBといわれる法人だと、どちらの利用が多いですか。

久保:今はちょっとだけ法人が多かったりしますね。法人であれば一番わかりやすいのが、ベンチャーのオフィス。ベンチャースタートアップってどんなふうに人が増えていくかもわからないし、体制を縮小しなきゃいけないとかもあったりするので。

あともうひとつ。働き方も変わっていくなかで、いわゆる重くて大きいものを買って所有しちゃうと意思決定の自由度を妨げちゃわないかなと。最近増えている家具付き賃貸も多いです。万博の影響で、海外の方が一斉に関西に何ヶ月かだけ住むっていうのがあるんですよね。そういった家具付き賃貸を作るときにも我々が出ていったりもしてます。

【久保裕丈さん】 経営は自己表現のひとつ。初代バチェラーの経歴を持つ起業家が考えるビジネスとは?

石塚:「クラス」は、どういう意味なんですか。

久保:最初、サービス名を考えてたとき、サービス名より会社のビジョンを決めたんですよ。

ビジョンを「“暮らす”を自由に、軽やかに」って決めて、この中の「暮らす」を取ろうと。綴りは普通のclassとは違いますけれど、暮らしっていうところから付けてます。

福田:これから起業をする方たちに向けて久保さんからアドバイスをお願いします。

久保:たくさんあって難しいですね。ただ、あくまでも僕の場合は自分が熱狂できること、真から心から欲していることではないとやっぱり続けられないということです。起業はかなり大変なので、その上でずっと熱狂し続けられるために、本当に自分がやりたいと思えることを見つけてから始めればいいのかなと思います。

福田:やっぱり熱量がないと続けていくのは大変ですよね。

久保:だと思います。もうひとつアドバイスをするとすれば、常に最悪の、さらに下のケースを想定する。さらにそれを下回るような、バッドケースやハードシングスが起こり続けるっていうのが起業だと思ってます。それでも自分自身が折れずにチームを鼓舞し続けるため、そう考えていないと難しいかな思います。

福田:最後に、お知らせがあればお願いします。

久保:お引っ越しシーズンですが、クラスのサイトではお得なキャンペーンとかセールをたくさんやっています。お引っ越しを考えている方、家具や家電を新調したい方はぜひクラスをご覧いただければと思います。

【久保裕丈さん】 経営は自己表現のひとつ。初代バチェラーの経歴を持つ起業家が考えるビジネスとは?

福田:本日はいかがでしたでしょうか。

石塚:「起業家」っていう感じで、せっかく1回上がったのにもう一度スタートアップの世界に戻ってくるっていうのがすごいなと思いました。

福田:どんな質問をしても経営者という立場をすごく楽しまれてるといいますか、本当に自分がそれをやるべき人間なんだというふうに感じて動かれてるのがわかる答えでしたよね。本当に迷ったときに、楽しい方やラクな方だけじゃなくて、その選択をすることも正解なんだなっていうふうに思わせてくれましたね。皆さんにとっても何かしらの学びがあったのではないでしょうか、

そして、番組からお知らせです。3月25日火曜日、夜7時から番組初めての公開収録を行う予定です。会場は東京・秋葉原UDX。ゲストに元TBSアナウンサー宇垣美里さんをお迎えします。観覧募集はすでに締め切っておりますが、会場に来られる方は楽しみにされてください。来られない方も3月27日の放送で公開収録の模様をお届けしますので、ぜひそちらをお聞きください。

さらに番組からお知らせです。去年の10月3日からスタートしたトップジャムですけれども、3月27日の放送をもって終了となります。半年間という期間でしたが多くのゲストの方に来ていただいて、私はすごく励みになる前向きになる言葉をたくさんいただいたと思ってます。

石塚:起業家とか芸能の方とかいろんな方に来ていただいて、思い出たくさんの番組になりました。

福田:これまでの放送のアーカイブは、ニッポン放送 PODCAST STATIONで番組終了以降もお聞きできますので、ぜひ3月以降もお楽しみください。

番組情報

スルミ presents トップジャム

毎週木曜日21:00-21:30

番組HP

フリーアナウンサー・福田典子が自身初のレギュラーラジオパーソナリティに挑戦!

「ビジネスの“トップ”が、ラジオで“ジャム”る(トークセッションする)番組」という意味が込められており、社会に新たな風を吹き込むビジネスシーンを紹介していきます。

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