こんにゃくのさらなる消費拡大へ こんにゃくいも収穫量全国1位の群馬県での取り組み

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5月31日、群馬県甘楽郡下仁田町馬山にある「道の駅しもにた」でこんにゃくの消費拡大をはかるためのイベントが行われ、訪れた人たちにしらたきを使ったサラダが振る舞われた。

「道の駅しもにた」にて

「道の駅しもにた」にて

群馬県はこんにゃくいもの収穫量が全国1位。中でも甘楽富岡地域は県内有数のこんにゃくいもの産地のひとつ。こんにゃく消費量の減少により、原料であるこんにゃくいもの価格が低迷し、資材価格の高騰もあって生産者にとって厳しい状態が続いている。

しらたきサラダ試食会の様子 

しらたきサラダ試食会の様子

そこで、消費者の方々にこんにゃくの魅力を伝えるためにイベントが開催された。道の駅に寄り道をした観光客や買い物客などが、しらたきサラダを3種類のドレッシングで味わった。しらたきサラダの作り方は簡単で、あく抜き不要のしらたきをザルで水洗いし、水分を良く切る。そしてキッチンばさみ等で食べやすい長さに切り、小皿に取り分けて好きなドレッシングをかけるとできるという。食物繊維が豊富で低カロリーで低糖質が特徴。試食した群馬県内在住の親子は「さっぱりしていて美味しい。手軽に作れるのが良い」と好評だった。

試食用の「しらたきサラダ」

試食用の「しらたきサラダ」

JA甘楽富岡の黛尚哉氏は「こんにゃくいもの価格が安い状況で、このままだと廃業する農家も出てきて生産が出来なくなってしまう。まず消費を増やしていくための認知をしてもらう」という事で今回に至ったと語る。また、JA甘楽富岡蒟蒻生産部の戸塚純部長は、「こんにゃくの在庫が増えていく状況にあって、しらたきだとこんにゃくの原料の粉をたくさん使うので、サラダのような感覚で食べて頂くことで、消費も増えるのではないかと考えた。簡単に作ることができ、美味しさをアピールしたい」とのこと。ではなぜしらたきをサラダにしたのかを群馬県こんにゃく研究会の関康浩副会長に訊ねると「こんにゃくの食べる季節は寒い時期というイメージがある。それを夏の時期にも召し上がって頂くために」と話した。

下仁田町 岩崎正春町長(中央)と群馬県こんにゃく研究会の皆さん

下仁田町 岩崎正春町長(中央)と群馬県こんにゃく研究会の皆さん

下仁田町の岩崎正春町長は、「(こんにゃくの)消費が低迷しているので、皆で消費拡大をはかりたい。皆が食べると生産者も粉屋さんも練り屋さんもみんなが良くなる。普及に力を入れていく」と意気込む。

下仁田町は5月29日、消費拡大を推進する「こんにゃく食べよう健康増進条例」を制定すると発表し、6月の町議会に条例案を提出することに。下仁田町商工観光課の岩井実係長は、「生産者と製造業者そして飲食店とともに協力してこんにゃくをPRしていく。町としては学校給食にも提供していき下仁田から群馬県へ、そして日本から世界へ広まっていくことが出来れば」とのこと。

イベントの様子

イベントの様子

群馬県農政部西部農業事務所富岡地域農業課の篠原和典係長は「新たな商品を開発しなくても、今ある商材で勝負ができる。しらたきが売れることで業界みんなが喜ぶ」と述べ、群馬県農政部の岸篤志部長は、「しらたきはドレッシング次第でいろんな食べ方ができる。ごまのドレッシングで食べたのは今回初めてだったが美味しかった。条例を通じて生産者さんや製造業者さんが少しでも勇気付けや生産意欲につながれば」と話した。

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