この日も気ままに、東京駅から旅の始まり。
ホームに颯爽と新幹線が入ってくると、一気に旅気分が高まりますよね。
東日本エリアの各新幹線で見られる「E2系」新幹線。
平成9(1997)年デビューですので、来年で早くも登場20年を迎えます。
今も東北新幹線「やまびこ」や上越新幹線「とき」などで活躍中。
最近は新幹線で、海外から日本を訪れたお客さんの姿を見かけることも増えました。
今年は「駅弁」にとって「世界進出」の年となりました。
特に3月~5月にかけてフランス国鉄のパリ・リヨン駅に「日本レストランエンタプライズ(NRE)」が出店。
ヨーロッパで日本の「EKIBEN(駅弁)」が販売されました。
そんなパリで販売された「EKIBEN」の系譜を継ぐ駅弁が、実は東京駅でも手に入ります。
NRE大増の、その名も「日本のおもてなし弁当」(1,150円)です。
「日本のおもてなし弁当」のメインターゲットは、海外から日本を訪れた皆さん。
開けてビックリ!「お品書き」も5つの国や地域の言葉で表記されているのです。
左から日本語、英語、台湾、中国、ハングル・・・こんな多言語の「お品書き」は初めて見ました!
「ちらし寿司」は、英語も「Chirashi-Sushi」、漢字表記も「散寿司」なのですね!
日本の人もコレをいただけば、海外の方を接客する際に役立ちそうです。
“駅前留学”ならぬ「駅ナカ留学」駅弁になるかも!?
【お品書】
ちらし寿司(いくら醤油漬、かにフレーク、錦糸玉子、菜の花お浸し、椎茸煮)
海老しそ衣揚げ
舞茸天ぷら
蓮根天ぷら
ピーマン素揚
赤パプリカ素揚
青菜と油揚げの煮浸し
煮物(春雨入り巾着、南瓜、筍、いんげん、飾り人参)
赤蕪漬
小茄子漬
和菓子
パリ・バージョンより若干リニューアルされ、4月から販売されている「日本のおもてなし弁当」。
海外の方にとっての「ニッポン」の食である「スシ・テンプラ」がメインに据えられています。
彩り華やか、和食の中にも「世界」を意識した駅弁づくりが伺えますが、日本人が食べても勿論美味しい。
リヨン駅で売られた駅弁という意味では、食のインバウンド需要を取り込みたいと考えている方には、一つの指標となるのかも。
この「日本のおもてなし弁当」も参加しているのが、今年も10/1から始まった「JR東日本 駅弁味の陣」。
5回目を迎えた今回は、東日本エリア過去最多・61の駅弁がエントリーしています。
これまでトップの「駅弁大将軍」に輝いてきたのは・・・
初代(2012年):直江津駅「鱈めし」(ホテルハイマート)
2代(2013年):米沢駅「牛肉どまん中」(新杵屋)
3代(2014年):米沢駅「米澤牛焼肉重松川辨當」(松川弁当店)
4代(2015年):大館駅「鶏めし弁当」(花善)
これに合わせて新駅弁を投入している駅弁屋さんも多く、私も新作に逢えるのが楽しみな「駅弁味の陣」。
果たして5代目はどの駅弁が「駅弁大将軍」となるか、売店にあるハガキのアンケート結果で決まります。
11/30まで開催されていますので行楽の秋、東日本エリアを旅する際は「駅弁」片手に参加してみては?
(取材・文:望月崇史)
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/