この日は根室駅の始発列車、5:31発の釧路行でスタート。
根室駅発の列車は、5:31・8:22・11:00(快速はなさき)・13:33・16:09・19:01の1日6本です。
およそ3時間間隔の運行となります。
始発を逃してしまうと次は8時半前ですので、1両の車内はそれなりに埋まりました。
キハ54が日本一早く上ってきた朝日を浴びて、一路、西へ向かいます。
今回、改めて根室本線・釧路~根室間(花咲線)に乗って思いました。
本当に景色が美しい!
特に撮影地としても知られる別当賀~落石間の根釧台地の荒涼とした風景は、天然地形のハズなのに、まるでアートのような規則性に心を打たれました。
この区間は、撮っても楽しい、乗っても楽しいんですね。
そして、厚岸~糸魚沢間の「別寒辺牛(べつかんべうし)湿原」と「厚岸湖」!
ココは平成5(1993)年のラムサール条約登録によって少し知られるようになってきたくらいなので、まだまだ思い切り自然の力を感じることができます。
かつて、北海道の観光トロッコ列車の“ノロッコ”の特別企画で「厚岸湖白鳥ノロッコ」号という団体列車が走ったことがあったそうですが、出来るコトなら、ぜひまたノロッコでゆっくり見られる機会を作ってほしいかも!?
厚岸の景色を見ていたら、やっぱりまた牡蠣の駅弁を食べたくなってきてしまいそう・・・。
今回は、釧路駅の「かきべん」(990円)をご紹介!
黒い厚めの包装紙は、牡蠣の形っぽく小窓が切り抜かれています。
長年、食べ続けてくると『駅弁の包装は中が見えないのがいいんだ』と思い込んでしまいますが、今どきの旅のビギナーや催事のことを考えると、チョビっと見えるのもアリなのかもしれません。
調製元は、釧路駅弁の「釧祥館」。
釧路駅にレギュラーで並ぶ5つの駅弁のラインナップの1つに位置付けられています。
牡蠣の炊き込みご飯の上に、味付けをした牡蠣が盛付けられていて、風味もたっぷり!
ただ、釧路の「かきべん」の味わいは、比較的あっさりとした印象です。
同じ食材でも、駅弁屋さんによって「あっさり」「こってり」と味付けが違うのが面白いもの。
この「違いを味わう」のも、駅弁の楽しみ方の1つですよね。
この根室本線・釧路~根室間、いわゆる「花咲線」、およそ135kmの区間も、JRでは「自社単独で維持困難な路線」の1つに挙げています。
美しい車窓に、思わず感動の“花が咲く”花咲線。
その当たり前だった風景を守るにはどうしたらいいのか、いろんな人の知恵が必要です。
まずは、早急により多くの方に「関心を持ってほしい」という思いを強くした今回の旅となりました。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/