【ライター望月の駅弁膝栗毛】
新宿~京王八王子・高尾山口を結ぶ京王線に、去年(2017年)、16年ぶりとなる新型車両、二代目の「5000系」がデビューしました。
京王にとっての「5000系」は、大きな意味がある特別な形式。
初代は昭和38(1963)年、新宿と八王子を結ぶ新たな「特急」としてデビューした「名車」。
この系譜を受け継ぎ2代目の5000系は、今年(2018年)から、京王初の「座席指定」列車としてデビューすることが決まっています。
現在は、それに先立っての“足慣らし”運転中で、運賃のみで乗車することが出来ます。
駅弁好きにとって「一年の計は京王にあり」!
今年も1月10日から、東京・新宿区の京王百貨店新宿店で、「第53回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」が始まりました。
私もさっそく初日(1/10)に訪問、駅弁膝栗毛には「昨年」に続いて2度目の登場となります、京王百貨店の永井充規(ながい・みつのり)マネージャーに、今年の見どころを伺いました。
―今年も目玉企画は「対決シリーズ」ですね?
今年も恒例の「対決シリーズ」を3つご用意しました。
1つ目が「新作牛肉駅弁対決」、2つ目は「人気の海鮮 ウニ対決」、そして3つ目が「海の幸 焼き対決」です。
特に「焼き対決」ですが、「焼く」という調理法の“切り口”で対決するのは初めてのことです。
―中でも気になるのは、「新作牛肉駅弁対決」なんですが、コチラは3つの百貨店との合同企画なんだそうですね?
大阪の阪神百貨店、熊本の鶴屋百貨店、そして京王百貨店新宿店という人気の駅弁大会を開催している3つのお店が初めてタッグを組みました。
最初は阪神百貨店さんから企画案が持ち上がり、私たちもその話を伺って「ぜひやってみよう!」ということでスタートしました。
ここ数年、「牛肉駅弁が人気」というのは各百貨店とも共通の認識でしたので、テーマはスグに決まり、それぞれのお店があるJRのエリアの駅弁屋さんとコラボすることになりました。
いろんなコトが初めてで、ホントに手さぐり状態だったんですが、何とか会期に間に合わせることが出来ました。
―京王百貨店新宿店は「松川弁当店」と新作駅弁を開発されたそうですが、味わってほしい一番のポイントはどこでしょうか?
京王百貨店はJR東日本のエリアということで、山形県の米沢駅弁を手掛ける「松川弁当店」と「米沢牛 伝統の百年焼肉弁当」(1,500円)を開発しました。
キーワードは、商品名にもなっているように「百年」です。
米沢で100年以上続く老舗3店舗の協力で焼肉駅弁を作りました。
酒蔵の「新藤酒造店」の酒粕、醸造元の「平山孫兵衛商店」の熟成みそを使い、100年以上、米沢で駅弁を販売する「松川弁当店」秘伝の調理法で、駅弁として仕上げました。
ぜひ、その「伝統の重み」をしっかりと味わってほしいと思います。
―今回、最も苦労された点は、どんなところですか?
やはり、この3店舗合同企画ですね。
特に「松川弁当店」の駅弁は首都圏でもよく見かけるかもしれませんが、実は京王百貨店で「実演販売」するのは、今回が初めてなんです。
その意味でも苦労した点は、いっぱいありました。
(望月の補足)
「駅弁膝栗毛」では未紹介ですが、「松川弁当店」は明治32(1899)年の駅開業以来、米沢の駅弁を手掛けている老舗駅弁屋さん。
米沢牛を使った駅弁が多く、平成26(2014)年には東日本エリアで行われた「駅弁味の陣」で「米澤牛焼肉重 松川瓣當」が見事、駅弁大将軍に輝いたこともある駅弁屋さんです。
米沢市内では焼肉レストランなどを手掛けていることもあり、米沢牛の焼肉ノウハウは十分。
酒粕・味噌などに漬け込んで焼き上げられた米沢牛は、冷めてもふんわりとした食感です。
ともあれ、対決シリーズは「食べ比べる」ことが一番大事!
あと2店舗の新作牛肉駅弁も、しっかりチェックしていきましょう。
―おしまいに、今年は「ココを楽しんでください!」というポイント、敢えて1つ挙げるとしたら、何でしょうか?
(少々悩んで・・・)実は「輸送駅弁」がすごいんです!
駅弁の種類という点では一番多いですから、駅弁を「選ぶ楽しみ」が味わえます。
実演店舗を巡るだけでなく、輸送駅弁のコーナーもぜひ楽しんでいただけたらと思います。
(永井マネージャー、インタビュー終わり)
ココで昨年の「駅弁膝栗毛」でもご紹介した「駅弁大会の楽しみ方」三カ条のおさらいです。
一、まずはインターネットで予習せよ!
一、穴場なら、平日昼過ぎを狙え!
一、駅弁は仲間とシェアして食べよ!
京王百貨店新宿店で実演販売をする駅弁屋さんの中には、トップ自ら店頭に立って必死で調製に取り組むお店もあります。
駅弁屋さんの食への「アツい想い」を、自分の肌で感じられるのも駅弁大会の魅力。
足を運んで、その「熱」を感じてみると、駅弁も一層、美味しく味わえると思います。
京王百貨店新宿店の「第53回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」は、1/23(火)まで。
例年より1日長い14日間の開催となっています。
来週は1週間、いくつか注目の駅弁をピックアップしてご紹介していきますのでお楽しみに!
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/