【ライター望月の駅弁膝栗毛】
2017年末、デビューを果たしたE353系「スーパーあずさ」。
今年3月のダイヤ改正では、全ての「スーパーあずさ」が新型車両となります。
現段階で、従来のE351系「スーパーあずさ」は、残すところ4往復。
中央線沿線では、E351系がまさに最後の力走を見せています。
独特の“たまご型”をした「スーパーあずさ」が観られるのもあと少しなんですね。
そんな「スーパーあずさ」にちなんで、去年(2017年)に登場した中央本線・塩尻駅の駅弁、「信州山ごはん とりめし梓」(1,200円)をご紹介しましょう。
元々、塩尻駅には「とりめし」という、昭和28(1953)年発売のロングセラー駅弁があります。
このグレードアップバージョン、まさに“スーパーとりめし”という駅弁が、去年夏の「信州デスティネーションキャンペーン」に合わせて登場、「駅弁味の陣2017」にもエントリーされました。
【おしながき】
・長野県畜産試験場(塩尻市)生まれ、信州黄金シャモ山賊焼き
・信州特産 野沢菜漬油炒め
・鶏そぼろ・錦糸玉子
・山菜ミックス煮つけ・うずら玉子煮
・生野菜サラダ(レタス・キュウリ・ミニトマト・ブロッコリーorカリフラワー)
・味付けご飯・信州産コシヒカリ
・香の物 千切り紅生姜・山ごぼう
・塩尻桔梗ヶ原産コンコードワインのワインゼリー
塩尻駅の駅弁屋さん・カワカミが作る「信州山ごはん とりめし梓」。
畜産試験場を持つ地の利を活かして、塩尻には元々黄金シャモの駅弁がありましたが、この駅弁ではご当地風の唐揚げ「山賊焼」に仕上げて、とりめしとコラボさせてきました。
もちろん、カワカミ十八番の野沢菜油炒めもしっかり入って、どんどん箸が進む駅弁です。
駅弁では難しい生野菜も多め、彩りよく経木の折詰に入って、旅のテンションを高めます。
なお、塩尻駅の駅弁は、松本駅でも購入が可能です。
E351系電車、実のところ「揺れる」という印象を持っている方も多いと思います。
E351系がデビューした25年前は、「とにかく速い」ということが最重要テーマでした。
このため「振り子式」で車体を傾ける仕組みを採用、傾斜角度は最大5度ありました。
新しいE353系電車は「空気ばね式」で車体を傾け、傾斜角度は最大1.5度となっています。
この3.5度の違いが、大きな乗り心地の違いを生む1つの理由。
特急車両には「速さ」はもちろん、「快適さ」も求められる時代になったという訳ですね。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/