姫路駅「穴子かさね重」(1,240円)~駅弁屋さんの厨房ですよ!(vol.9まねき食品編⑦)

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

221系 電車 快速 山陽本線 東姫路 御着

221系電車・快速、山陽本線・東姫路~御着間

関西を代表する車両の1つ、221系電車。
JR西日本が発足後初めて作った車両で、平成元(1989)年のデビュー以来、東海道・山陽線(JR京都線・神戸線)の新快速・快速や、関西線の大和路快速などで活躍してきました。
登場から30年近くを経た今も、リニューアル工事を受けながら、東海道・山陽線では快速を中心に運行されており、京阪神を結ぶ大切な足となっています。

まねき食品 竹田専務 廣重企画室長

まねき食品・竹田専務と廣重企画室長

東海道・山陽線の主要ターミナルの1つ・姫路駅の駅弁をピックアップしてきた「駅弁屋さんの厨房ですよ!」の第9弾。
まねき食品」の竹田典高専務と、廣重泰寛企画室長のインタビューをお届けしています。
姫路になくてはならない味として、地元に密着している「まねき食品」。
今回は、日本の駅弁屋さんで「初めて」の取り組みについて伺いました。

京王百貨店 まねき食品 ブース

京王百貨店での「まねき食品」ブース

―「まねき食品」は地元・姫路に根差していながら、今は「bentoを世界に」というキャッチフレーズを掲げていらっしゃいますよね?

私(竹田専務)が経営に関わるようになった11年ほど前からです。
せっかくやるからには「面白い会社にしたい!」という思いがありました。
寿司やラーメンが日本文化として広く認められているのに、「弁当」が無いのはどうしてかなぁというところから始まったんです。
私も外国へ行った時、美味しくない日本料理に出逢ったりすると、正直がっかりします。
「もっと美味しいものを出せるのになぁ・・・」、そんなもどかしい思いがありました。

―そこから10年かけて去年(2017年)、日本の駅弁屋さんとして初めて、台湾の「台北」に進出を果たしましたが・・・、なぜ台北だったんですか?

やはり、台湾には鉄道が走っています。
新幹線もありますし、日本に来ている方も多くて、親日的な方も多いというのがありますが、個人的にパイプがあったというのが大きいですね。
実は姫路にいらっしゃる海外の方も、台湾からの方が一番多いんです。
その意味でも“インバウンド需要”にもつながると・・・。
逆に関西からですと、台湾なら東京とあまり変わらない金額で行けますしね。

国宝 姫路城

海外の方も多く訪れる国宝・姫路城

―ほかの駅弁屋さんは、「海外で常設店」というのは、まだやってないですよね?

やっぱり「日本で最初!」というのは、やりたかったです。
後々、ずっと言うことが出来ます。
幕の内弁当も、最初に出したお陰で、今でも言えますからね。

―日本から近いとはいえ食文化は違うと思いますが、台湾の食文化に合わせていますか?

あくまでも「日本式」にこだわっています。
ただ、食材は台湾のものを使うようにしています。
メニューの考案は日本側で行って、現地の食材で落とし込むという形ですね。

(廣重)
台湾の方は固めのご飯を好まれるので、ご飯の固さの好みなどは、向こうの文化に合わせるようにしています。
味付けも向こうの方が敬遠するものは、出来るだけ使わないようにしています。

台湾高速鉄道 700T型 700系 新幹線

台湾高速鉄道700T型のベースになった700系新幹線(2006年頃)

―台湾の方の「好みの味」って、あるんですか?

(廣重)
甘くて濃い味付けが台湾では好まれるんですよ。
照り焼きだったり、甘だれであったり・・・。

(竹田)
逆に塩辛いものはダメですね。
東京っぽい味付けは、チョット敬遠されてしまいます。
関西や九州の味付けのほうが好まれる印象です。
だから海外の方も、関西へたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

―台北駅のお店がオープンして3か月あまり、反響はいかがですか?

日によって差はありますが、だいぶ安定してきました。
「冷たいのが駅弁」とはいいますが、やはり台湾の方は「あったかいのが好き」なんです。
なので、駅に実演スペースを作って、「出来たて弁当」という形で出すようにしています。
温かくても美味しい、温かくても傷まない弁当を、「日本のノウハウ」で作っている訳です。
今、一番売れているのは「豚の蒲焼弁当」と「牛すき焼き弁当」ですね。
キッチンも日々レベルが上がってきていますから、今度はどんな日本料理を出していこうかとも考えていますし、街の中にも出ていけたらと思っています。

(竹田専務、廣重企画室長インタビュー、つづく)

穴子かさね重

穴子かさね重

穴子かさね重

穴子かさね重

「まねき食品」が1月に京王百貨店の駅弁大会で出店した際に販売した「記念弁当」のベースとなったのが、この「穴子かさね重」(1,240円)。
姫路の特産の1つに数えられる穴子を使い、“焼き穴子と煮穴子の二層仕立て”というフレーズも躍るパッケージが印象的です。
この“二層仕立て”も、最近の駅弁では1つのトレンドですよね。

穴子かさね重

穴子かさね重

焼き穴子の下の「だしめし」を掘っていくと現れる煮穴子!
“焼き穴子 on 煮穴子”で、1度に2つの味が楽しめるのも嬉しいものです。
この駅弁でも使われる甘だれのノウハウは、台湾でも活かされているのでしょう。

先ごろの報道では、平成29(2017)年に大阪を訪れた外国人客が初めて1,100万人を超え、日本を訪れた外国人観光客のおよそ3人に1人が大阪周辺を訪れたと伝えられました。
この時、関空に発着するLCC(格安航空会社)の好調さが伝えられましたが、実は関西が好まれるベースには“関西の食文化”があるのでは・・・と分析する竹田専務。
定期的に姫路と台湾のお店と行き来している人のナマの声は、とても興味深いところです。
その意味では、地理や気候条件がアジア諸都市に近い西日本エリアは、食文化の面でも、訪日外国人客を受け入れる上で、大きなアドバンテージを持っているのかもしれません。

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