【ライター望月の駅弁膝栗毛】
山陽本線の姫路と、山陰本線の和田山を結ぶ「播但線」。
平成10(1998)年に姫路~寺前間が電化されて、この春で20年となります。
この区間を走っているのが、ワンマン運転対応の103系電車(3500番台)。
全国で活躍した国鉄の通勤電車・103系もかなり数を減らし、去年は大阪環状線からの撤退が大きな話題になりましたが、播但線では2両編成を基本に、まだまだ頑張っています。
103系といえば、今から55年前、昭和38(1963)年のデビュー。
東京の山手線では昭和60年代まで活躍し、首都圏でも2000年代半ばまで常磐線や京葉線などで走っていた“レジェンド”の域に達しようかという電車です。
西日本エリアではリニューアルされながら活躍が続いており、播但線でも、朝夕の通勤・通学時間帯は、2両編成を2つ繋ぎ合わせた4両編成で走る列車もあります。
播但線の普通列車に揺られて、昭和っぽい大きなモーターの音を聞けば、まだまだ頑張る103系電車に元気がもらえそう・・・。
そんな元気が出そうな姫路駅弁といえば、「まねき食品」の「姫路駅豚かつめし」(1,080円)。
「かつめし」といえば、同じ播磨地方・加古川のご当地グルメとして有名です。
元祖は牛肉のようですが、姫路では豚肉でかつめしを駅弁化しています。
【お品書き】
・白飯
・とんかつ
・ポテトサラダ
・ボイルキャベツ
・柴漬け
「かつめし」の基本、デミグラスソースがかかっているのは、ミルフィーユ風の「豚カツ」!
“冷めても美味しい”を基本とする駅弁では、冷めても“やわらかい”を実現すべく、薄めの肉を重ね合わせた“ミルカツ”の手法がしばしば用いられます。
駅弁膝栗毛でも以前、小淵沢駅の「甲州かつサンド」でご紹介しました。
肉の調理方法は同じでも、肉が違い、ソースが違い、水が違えば、味わいも違うもの。
デミグラスソースと“ミルカツ”の組み合わせも、なかなかイケますよ!
103系電車は播但線のほか、加古川から分岐する加古川線でも活躍しています。
また、奈良線や山陽本線の兵庫から分岐する支線、通称“和田岬線”でも現役。
このほか、和歌山線・桜井線などでは、かつて常磐線各駅停車~地下鉄千代田線で103系として活躍し、今は105系電車となった車両も走っています。
さらに九州の筑肥線では、筑前前原~西唐津間の区間列車で103系が活躍中。
残り少なくなった103系電車で、“最後の国電”気分を味わってみてはいかがでしょうか。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/