【ライター望月の駅弁膝栗毛】
週末の千葉でひと際目立つ、白い車体の電車。
この電車は今年(2018年)から走り始めた「BOSO BICYCLE BASE」、略して「BB.BASE」という、房総半島を走るサイクリストをターゲットにした新しい観光列車です。
最大の特徴は、自転車を分解せずにそのまま載せられるということ。(公式サイトより)
電車と自転車を組み合わせた、新たな旅のスタイルを提案しています。
「BB.BASE」の始発駅は、かつて千葉方面へのターミナル駅だった両国駅。
週末運行で、内房線、外房線、成田線、総武本線の各方面へ週替わりで1日1往復します。
団体列車として運行されており、旅行商品を購入した人だけが乗車することが出来ます。
4月からは片道だけの利用や、途中の津田沼、千葉からの利用も可能になりました。
(津田沼、千葉から利用の場合は、輪行(自転車を折りたたんで乗車すること)となります)
6両編成のうち、4号車にはフリースペースも設けられています。
「BB.BASE」の車内では、お菓子や飲み物などの販売は行われていると発表されていますが、駅弁などの販売は行われていない様子。
“鉄道に乗るなら、やっぱり駅弁の1つくらいは・・・”という自転車旅派の皆さんにもお薦めできる千葉の駅弁といえば、何と言っても「漁り」(1,150円)でしょう。
元々は、木更津の駅弁として知られた駅弁で、現在はレシピを受け継いだ「株式会社リエイ 万葉軒千葉工場」が製造しており、千葉駅はもちろん、東京駅等での販売もあります。
駅弁を楽しむ場合は、乗車前にしっかり買い込んでおきたいものです。
【お品書き】
・茶飯
・煮あさり
・鮪照焼き
・蓮根の鰯挟み揚げ
・煮物(筍、人参)
・菜の花のおひたし
・金平ごぼう
・しば漬け
生姜が効いたあさり煮の風味がよく、醤油で炊いたご飯との相性が抜群です。
マグロの照り焼きやイワシのはさみ揚げを使うなど、千葉らしい魚を使ったおかずも入って、食欲がそそられます。
現在のスリープ式の包装になったのは、平成25(2013)年のこと。
この際におかずも一部リニューアルされ、現在の構成となりました。
バージョンアップしながら、木更津・浜屋時代からの伝統駅弁は今も受け継がれています。
「BB.BASE」に使われているのは、千葉ではおなじみ209系電車。
白いカラーリングに装いを変え、車内も改造してサイクルトレインとしてデビューしました。
西日本エリアでは、2年ほど前に紹介した「ラ・マルせとうち」も自転車が積める列車ですが、千葉の「BB.BASE」では“サイクリスト専用”と思い切った列車となりました。
“電車と自転車のイイ関係”、これからも要注目です!
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/