【ライター望月の駅弁膝栗毛】
昭和53(1978)年5月に成田空港が開港してから、今年で40年となりました。
当初は京成電鉄のスカイライナーが空港アクセスを一手に担いましたが、今の成田空港駅が開業した平成3(1991)年からは、JRの「成田エクスプレス」も運行を開始。
平成21(2009)年以降は、二代目のE259系電車がその任を担っています。
田園風景の中を、白地に赤い“日の丸電車”が走り抜ける様子は、日本らしくてイイですね。
海外からの乗客が多い「成田エクスプレス」。
列車は朝夕の一部列車を除き、千葉駅を通過してしまいますが、地理的には、ある意味“世界に一番近い駅弁”とも言えそうなのが、千葉駅の駅弁です。
今回は、「株式会社リエイ 万葉軒千葉工場」が製造する千葉駅弁の中から「万葉弁当」(720円)をご紹介。
自社の社名を冠した、日本の駅弁らしい幕の内弁当です。
【お品書き】
・白飯
・鮪照り焼き
・えびフライ
・鶏唐揚げ
・鶏肉団子
・ウィンナー
・あさり串
・かまぼこ
・煮物(筍、人参)
・昆布巻
・しば漬け
・ピーナッツ味噌
幕の内弁当の「楽しみ方」のポイントは、2つあります。
1つは、幕の内“三種の神器”である焼魚、蒲鉾、玉子焼の確認。
もう1つは、ご当地性らしいおかずのチェックです。
「万葉弁当」では、特に焼魚にマグロが使われ、外房らしさをアピール。
一方でアサリの串もおかずに入っているのが、内房らしさを感じさせます。
さらに八街に代表されるピーナッツ味噌の存在が、千葉ならではの幕の内を決定づけます。
実は侮ることが出来ない、駅弁各社の「幕の内弁当」なのです。
「成田エクスプレス」と共に、JRの成田空港アクセスを担うのが、E217系の快速列車です。
最も遠い駅では、横須賀線・久里浜から、成田空港まで直通運転しています。
この春から特急との誤乗防止のため、愛称がなくなりましたが、今も毎時1~2本運行。
青春18きっぷのシーズンなどは、快速を利用し、LCC(格安航空会社)の便と組み合わせて、“ワープ”という使い方も出来そう。
引き続き、リーズナブルな旅の強い味方となっています。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/