【ライター望月の駅弁膝栗毛】
仙台を中心に、南東北の足として活躍するE721系電車。
磐越西線の電化されている郡山~会津若松・喜多方間では、日中の列車を中心に快速でも2両編成・ワンマン運転の列車が見られます。
JR各社とも地方都市で活躍する車両は、昼間は2~3両の短編成が基本で、朝夕のラッシュ時はこの編成を繋ぎ合わせて、4~6両で走るケースが多いですね。
E721系電車は、3ドア・セミクロスシートの車両。
ドア横と車端部がロングシートで、ドア間に4人掛けのボックスシートが2つ並びます。
国鉄時代にいわゆる“近郊形車両”として、全国各地でよく見られたオーソドックスな内装が踏襲されていることもあり、私自身も南東北を旅する時は、この車両が来ると落ち着くもの。
ボックスシートの窓枠に、ドリンクホルダーが付いているのも好印象です。
E721系電車は、南東北に足を運ばないと出会うことが出来ない車両。
駅弁にも同様に、現地に足を運んだからこそ出逢えるものがあります。
郡山駅弁の「福豆屋」は、先月(6月)、郡山駅の売店をリニューアルしました。
これを記念して、以前ご紹介した人気駅弁「海苔のりべん」(950円)にも、郡山駅の売店限定で入手できる現地バージョンが登場しました。
福豆屋が創業した大正時代初期の郡山駅舎がメインに描かれ、「福豆屋 郡山駅店 開店記念限定掛紙」の文字もしっかり刷り込まれています。
店頭の案内では、なくなり次第終了とのこと。
この掛け紙に福島らしく「1868-2018戊辰150周年」のステッカーも貼られていて、2018年の夏に郡山で「海苔のりべん」をいただいたんだなぁということが分かるのが嬉しいですね。
【お品書き】
・白飯(焼海苔、おかか、ごま、梅干、昆布佃煮)
・玉子焼
・焼鮭
・煮物(えびいも、人参ほか)
・きんぴらごぼう
・かまぼこ
・赤かぶ漬
店頭には丁寧に「中味は普通の海苔のりべんと同じです」との案内も。
それでも掛け紙の限定バージョンがあると、ついつい手に取ってしまうのが駅弁好きの性。
もちろん「いつもの掛け紙も・・・」という方のために、通常版の販売も行われていました。
駅弁では「○○駅ではいつものアレを・・・」という方も多いので、これも大事なことですね。
常連さんにもご新規さんにも優しい「海苔のりべん」です。
オーソドックスなセミクロスシートに少し懐かしい旅情を感じながら、オーソドックスな海苔弁に、幼き日の母の顔を思い浮かべて、南東北のローカル線旅。
すでに東日本・北海道エリアの普通・快速列車が7日間乗り放題の「北海道&東日本パス」のシーズンに入り、夏の「青春18きっぷ」のシーズンも間近。
夏空に駅弁が恋しくなる時期です。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/