南北首脳会談~北朝鮮主導で動く3つの目的

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月7日放送)に外交評論家の宮家邦彦が出演。18日から行われる南北首脳会談について解説した。

南北首脳会談、今月18日から平壌で開催へ

韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の首脳会談が、今月18日から20までの3日間、北朝鮮の平壌で開催されることが決まった。両首脳の会談は4月27日、5月26日に続いて3回目で、韓国大統領の平壌訪問は2007年の10月以来。

飯田)いままでは板門店で行われていたものが、今回平壌でということになりました。特使団が行って決めてきたという形ですが、狙いはあるのでしょうか。

宮家)要するに、北のペースで物事が動いているということですよね。そして、いろいろ人道的な民族同士の動きがあるのはけっこうですが、目的は2つしかない。3つ目の目的は失敗に終わるだろうというのがポイントです。
第1に、アメリカに軍事攻撃をさせないように対話を続けて、アメリカの軍事行動を阻止する。2つ目に、できれば経済制裁も緩和していく。本当は経済制裁を解除する条件は何ひとつクリアしていないのだけれど、ごちゃごちゃ言って経済制裁をうやむやに持って行きたいのが北の狙いで、南もそれに乗っている。肝心の非核化はどうなったのかと言うと「アメリカさん頑張ってね」ということですから、残念ながら北の思惑と南の思惑が全く正反対なのだけれど、不気味に一致した部分で物事が動いている。もちろん、南北の融和が図られることが悪いことだとは言っていませんが、我々からすれば非核化も頑張って貰わなければいけない。北は当事者能力があるけれども、南はないわけですから、自主的な非核化を期待することはできないだろうと思っています。

飯田)金正恩委員長の発言として報じられているところで、「朝鮮半島の非核化は、アメリカのトランプさんの任期の間にやってくださいね」と、さもボールがアメリカにあるように言っていますが。

宮家)何を言っているのでしょうね。「朝鮮半島の非核化」という言葉を使った時点で負けなのですよ。それを「核の脅威は無くなった」とか「あれは、本当は北朝鮮の核の放棄まで含んでいるんだ」って、含んでいるのだったらそう言えよと。2005年には言っているわけですから、それを言わなかったということは、最初の時点でボタンの掛け違いがある。もしくは、十分な譲歩を勝ち取れなかったのが6月12日の米朝会談なのですよ。推進力がないから、あとは落ちていくだけです。

核問題に関して、現段階では日本が入る必要はない

飯田)残念ながら日本も、どこまでコミットできるのかというところがわかりません。

宮家)残念ながらではないですよ。だって日本は朝鮮戦争を戦っていないのですから。これは基本的には朝鮮戦争の問題なので、それはアメリカ、中国を入れて考えなければならないですが、日本が入る必要はないですよ。ただ、その地域の安定というのは大事ですし、核兵器の問題は気になるから、日本は経済支援という切り札を持っているわけですよ。それを安く売らないで、最も高い値段で売る準備はしておいた方が良いでしょうね。そのときに当然拉致問題をやらなければいけませんから、切り札をどのタイミングで切るのかをそろそろ考えなければならない。いずれにせよ、非核化が動かない状況でお金は出せません。

飯田)いまの段階でじたばたすれば、その分安くなると?

宮家)そうです。だから知らんぷりしていれば良いと思います。

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