【ライター望月の駅弁膝栗毛】
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485系電車・快速「リゾートやまどり」、上越線・八木原~渋川間
群馬エリアの鉄道旅を盛り上げる観光列車として知られる快速「リゾートやまどり」。
元・特急の485系電車を改造して生まれた車両で、通常は大宮~長野原草津口間を中心に運行されており、大きな窓とゆったりとした3列シートを乗車券+指定席券で楽しめます。
特に長野原草津口行の下り列車は、吾妻線に入ると、途中の中之条でおよそ100分の停車時間があり、中之条中心部の散策が楽しめるダイヤが組まれています。
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485系電車(リゾートやまどり)・回送列車、上越線・後閑(2015年撮影)
9~10月上旬にかけての「リゾートやまどり」は、上越線・水上~越後湯沢間を中心に、快速「やまどりもぐら・やまどりループ」号として運行されます。
“もぐら”とは、下り・新清水トンネルの中にある湯檜曽・土合の両駅に因んだもの。
“ループ”とは、上り・清水トンネルの前後にある「ループ線」にちなんだネーミングです。
上越新幹線開業前は、この区間を485系「いなほ」、489系「はくたか」などが走っていました。
同じタイプの車両を改造して生まれた「リゾートやまどり」ゆえ、モーターの音や重厚な走りに、もしかしたら国鉄特急の面影を感じることが出来るかもしれません。
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特製幕の内弁当
国鉄らしさを感じる旅なら、駅弁のチョイスを昔ながらの幕の内にするのもアリ。
高崎駅では、「特製幕の内弁当」(900円)が販売されています。
製造は、おなじみの「高崎弁当」。
掛け紙ではなく、紙ぶたを兼用するタイプになっており、なんと電子レンジ対応でもありますが、しっかりと紐が掛けられた幕の内です。
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特製幕の内弁当
【お品書き】
・白飯
・鮭の照焼き
・舞茸入り肉団子
・海老の天ぷら
・蒲鉾
・さつま揚げ
・鶏八幡巻き
・煮物(椎茸、蒟蒻、きぬさや)
・山くらげ漬
・わさび風味漬け
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特製幕の内弁当
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特製幕の内弁当
面白いのは、焼き魚が「鮭の照焼き」であるということ。
普通、幕の内の鮭は塩焼きが多い中、改めて「照焼き」でいただくと新鮮な食感です。
また、三種の神器の1つ、玉子焼きの代わりか、さつま揚げが入るのも興味深い。
しかも、肉団子には、群馬らしく舞茸を練り込んでいるのも特筆すべきところです。
幕の内というと、白いご飯・定番のおかずを楽しむイメージがありますが、実は定番のおかずの中にも、地域の特色、駅弁屋さんの個性といったものがキラリと光っているんですよね。
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485系電車・快速「リゾートやまどり藤祭り」、両毛線・佐野駅(2012年撮影)
平成23(2011)年夏の「群馬デスティネーションキャンペーン」に合わせて登場し、今も群馬を拠点に「様々な方面」へ向かう観光列車として活躍する「リゾートやまどり」。
10月には武蔵野線経由で、八王子・新習志野始発の列車も設定されています。
展望スペースもある大きな窓に広がる、群馬ののどかな田園風景。
指定席券(520円)のプラスで、ゆったり・のんびり鉄道旅を楽しんでみては?
連載情報
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ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/